鎌倉市坂ノ下にアジサイで有名な「成就院」の境外仏堂「虚空蔵堂」はある。虚空蔵堂は正式名称を「明鏡山満院星井寺」といい奈良時代の行基僧が彫った「虚空蔵菩薩」を祀られている。かつて行基がこの地で虚空蔵求(聞持法の修行をしていた時、境内にある星の井(井戸• 鎌倉十井の一つ)の中に7日間輝き続けた黒く光り輝く石を行基は虚空菩薩の化身と思い虚空蔵菩薩(地蔵菩薩)を自刻し星井寺を創建したと伝わる。極楽寺切通し「成就院」の対向側の小丘にあり道路から参道に白い幟がいくつもたなびいている。石段を上って行くと狭い境内の正面に「お堂」がある。虚空菩薩の虚空は無限の知恵を表し知恵を司る仏様で、開帳される1月・5月・9月は大勢の参拝客で賑う。(1806)
相模原麻溝公園「樹林の広場」の一角に2本、反対側に1本の白い大きな苞葉のある花を咲かせる「ハンカチノキ」がある。4月中旬頃から咲きだし4月末から5月初旬にかけて前年枝に白いハンカチのような姿の花を咲かせる。花弁はなくたくさんの雄花と1個の雌花が1つの球形をつくり大型の2枚の苞に抱かれるような形で開花、この2枚の大きな苞がハンカチに見立てられる。満開時、3本のハンカチノキはまさに白いハンカチをつるしたように埋め尽くされ大いに愉しませてくれた。しかし開花してから1週間前後というなんとも儚い短い命のハンカチノキも花が終わったあと、今はキイウイフルーツくらいの大きさの「果実」をつけている。まだ緑色をしておりやがてクルミのように茶色となり落下する。中には大きな核が入っており、割るのにはかなり苦労するくらいでクルミより硬いらしい。初お目見えのハンカチノキの果実、自然の贈り物のようだ。(1806)