小田原市城山に北条氏綱の娘の「崎姫」、「香沼姫」達の菩提寺となる曹洞宗寺院「栖龍山高長寺」は鎮座している。明治時代に横浜監獄小田原分署幼年監が設置された際に用地内にあった小田原北条時代(1500年頃)に創建の「高源院」と現在地にあった「長吉寺」が合併し一文字ずつ取り「高長寺」と改称した。小田原駅より線路沿い際に西栢山村の旧家井上八衛門の所有であった銅板葺き薬医門形式の「山門」が構えられている。山門前には当寺の縁起案内と石柱、右には「延命子育て地蔵堂」が建っている。「山門」を抜けると長い石畳の参道の先に銅板葺き入母屋造り屋根平入り「本堂」がある。藍鼠色に着彩された軸組に軒桁と細い飛貫の隙間に換気格子を嵌めて精巧な造りは技術の高さが窺える。季節ではないが境内にある「白木蓮」の大木は市の天然記念物となっている。また裏手の墓所には近代浪漫主義文学の先駆者「北村透谷の墓」と文政年間に日本最後の公許による仇討ちを果たした浅田兄弟の兄「鉄蔵の墓」がある。(2205)
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