名古屋近郊の団地に住む母子家庭の出始めの頃のマシンにかじりついたパソコンオタクの少年が、人付き合いを避けながらプログラミングを覚えていき、その中で1人の親友を得たが、父子家庭と思っていたその少年に母がいたことがわかるとそれを裏切りと責めつけていじめ、その少年の自殺を機にパソコンと縁を切り平凡な地方公務員となったが、娘のファイル交換ソフト使用で業務上の情報が流出して窓際に追いやられ、妻にも見限られて故郷に戻り思いをはせるという、中年おじさんのパソコンオタク青春回顧小説。
実在の事件を中途半端に絡ませる手法は、目新しくもなく、私は嫌いです。
母子家庭の少年が、出始めの当時の価格で20万円もするパソコンを母親にねだり、特段母親の苦労が描かれることなく、マニアックなテクニカルなことに走る描写も、あまりリアリティが感じられず、何不自由なく育った世代の感性かなと思います。
最初のエピソードも、こだわりを見せ続けながら最後まで決着も付けられず、ラストも落ちにもなっておらず、最後まで半端な感じでした。
第140回(2008年度下半期)芥川賞候補作。これが?
吉原清隆 集英社 2009年2月10日発行
実在の事件を中途半端に絡ませる手法は、目新しくもなく、私は嫌いです。
母子家庭の少年が、出始めの当時の価格で20万円もするパソコンを母親にねだり、特段母親の苦労が描かれることなく、マニアックなテクニカルなことに走る描写も、あまりリアリティが感じられず、何不自由なく育った世代の感性かなと思います。
最初のエピソードも、こだわりを見せ続けながら最後まで決着も付けられず、ラストも落ちにもなっておらず、最後まで半端な感じでした。
第140回(2008年度下半期)芥川賞候補作。これが?
吉原清隆 集英社 2009年2月10日発行