人の性格・行動パターンの変わりやすい部分と変わりにくい部分を説明して自己変革のための小さな実践を勧める本。
著者は学者さんですが、文章は自己啓発セミナーのインストラクターかと思うような読みやすさと調子のよさがあります。
人の性格のうち新規探索傾向(新しいことをやって見たがるタイプ)と損害回避傾向(経験のないことはしたがらないタイプ)は遺伝的影響が強いそうです。「お人好し」度(この本では「報酬依存」と書いていますがそれではわかりにくい)とねばり強さも遺伝的影響が強いとか。
それでも環境の影響もあり、そういった性格やもともと環境による影響の強い「上昇志向」や「協調性」を変えていくためには、新しいことをする、他人のいいところをまねる、口癖を変えるなどの小さな実践を続けて自信を育んでいくのがいいと、著者は勧めています。口癖を変えるは、否定的なことをいう代わりに、やってみなければわからないなどと口に出すことでその気になり脳が騙されるのだそうです(101ページ)。そのあたりの小さな実践感覚が面白い。早寝早起きをして無駄なことをしている時間を減らしその分健康にもよく新しいことに取り組める(86~89ページ)・・・わかるんですが、なかなか・・・
性格を変えるためには「やわらか脳」が大切で、ここでいう「やわらか脳」は問題の処理のために決まり切った回路だけではなくいろいろな回路を使えることだそうです。「引き出しが多い」という言い方をよくしますね。そのためにもおっくうがらずに新しいことにチャレンジして人と積極的にコミュニケーションをと提案しています。
結局、勧められている実践の内容は目新しいこともなく驚きもありませんが、どこまでが遺伝かとかの脳科学の話をお手軽に読めるあたりが少しお得感があるというところでしょう。
石浦章一 李白社 2009年3月29日発行
著者は学者さんですが、文章は自己啓発セミナーのインストラクターかと思うような読みやすさと調子のよさがあります。
人の性格のうち新規探索傾向(新しいことをやって見たがるタイプ)と損害回避傾向(経験のないことはしたがらないタイプ)は遺伝的影響が強いそうです。「お人好し」度(この本では「報酬依存」と書いていますがそれではわかりにくい)とねばり強さも遺伝的影響が強いとか。
それでも環境の影響もあり、そういった性格やもともと環境による影響の強い「上昇志向」や「協調性」を変えていくためには、新しいことをする、他人のいいところをまねる、口癖を変えるなどの小さな実践を続けて自信を育んでいくのがいいと、著者は勧めています。口癖を変えるは、否定的なことをいう代わりに、やってみなければわからないなどと口に出すことでその気になり脳が騙されるのだそうです(101ページ)。そのあたりの小さな実践感覚が面白い。早寝早起きをして無駄なことをしている時間を減らしその分健康にもよく新しいことに取り組める(86~89ページ)・・・わかるんですが、なかなか・・・
性格を変えるためには「やわらか脳」が大切で、ここでいう「やわらか脳」は問題の処理のために決まり切った回路だけではなくいろいろな回路を使えることだそうです。「引き出しが多い」という言い方をよくしますね。そのためにもおっくうがらずに新しいことにチャレンジして人と積極的にコミュニケーションをと提案しています。
結局、勧められている実践の内容は目新しいこともなく驚きもありませんが、どこまでが遺伝かとかの脳科学の話をお手軽に読めるあたりが少しお得感があるというところでしょう。
石浦章一 李白社 2009年3月29日発行