伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

もしも、この世に天使が。《青の章》

2009-06-10 01:12:40 | 小説
 両親の離婚で飼い犬のシロと暮らせなくなったことを理由に、シロと一緒に暮らすため北海道の祖母の元で暮らすことにした中学2年生の少女上村亜央(あお)が、学校のグループリーダーで親友の沙樹の意中の人にして祖母の仇敵の孫である高校生和久良真と恋仲になる青春恋愛小説。
 第1巻の《青の章》は、北海道に移住した亜央が真と知り合い恋仲となるが、夜中に会いに行ったことが祖母や教師の知るところとなり、交際を禁じられるが夏休みに2人で札幌に行きラブホに入るも祖母が倒れたことを知り急遽戻るところで「つづく」。う~ん、いかにも昔の安っぽいメロドラマみたいな引きですね。
 まぁ、恋は盲目、ですが、そして中学生ですから、周りが見えないのもわかりますが、それにしても「親友」の沙樹の意中の人だって見え見えなのに、沙樹が大人ぶって気にしないふりしてるのが見え見えなのに、これだけ遠慮なく奪いますか。しかも、世話になっている祖母が死んだ祖父の恨みと、忌み嫌っている仇敵の孫で、それだけはやめてくれと言っているのに、祖母に隠れ騙してまで会いに行きますか。それで自分たちが迫害された被害者のように振る舞いますか。「空気が読めない」レベルじゃなくて自分のこと以外何も見えてない、考えてないって感じですね、この人。作者がどう展開するつもりか知りませんが、真の方は気が多く、亜央のことは憧れの大都会東京から来た娘への好奇心と憧憬と体目当てと見えますけどね。
 人に知られないようにと「ブランカ」と「ロボ」と呼びあう交換日記、第1回の内容だけで地元の人はだれが書いてるか100%わかると思いますが、これで当人は秘密が守れると思ってるところが、周りの見えてない2人を象徴してるのでしょうか。


山田あかね 講談社 2008年11月10日発行
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