インターネットで「シスリー姉さんの生まれ月別運勢占い」サイトを運営する世話焼きの長女志津と、姉のお節介をうっとうしいと思う市民センター勤めのバツイチの次女真奈美、体は大きいが精神未発達のガテン系アルバイターの弟俊の3人兄弟が、両親の残したマンションで同居する日々を描いた小説。
平穏な日々の中で潜在化していたそれぞれの不安と不満が、志津の昔の占い客の来訪や俊の職場での諍いと家庭内での暴走を契機に、兄弟間の関係にひび割れを起こして行く様子、そして一種の諦めと開き直りで乗り切り、また新たな平穏な日々へと続いて行く様子が描かれています。家族、兄弟にありがちな葛藤、不満と折り合いのつけ方が読ませどころでしょう。
タイトルの「らいほうさんの場所」は、マンションの専用庭の志津と俊が花を植えている一角で、冒頭から謎めいた言及がされ続けますが、最後まで明確な説明はありません。終盤での言及がややホラーっぽくなっていますけど。そのあたり、納得できるか、ずっと意味ありげに関心を持たせておいて何だと欲求不満を感じるか。
本のストーリーと関係ないですが、志津が行う個別メール相談。私が電子メールでの相談をお断りしている理由でもあるのですが、相談者からの電子メールだけ読んでも、回答する側には必ずこの点はどうなってるんだろと疑問に思う点が多数出てきます。志津もそう思いながら、そこは勝手に想像してかつ当たり障りのない回答を書いていきます。占いだからそういう対応もできるんでしょうけど、法律相談だったらそれは無理というか、そういう回答じゃ相談になってない。回答する側も大変だと思いますし、こういういい加減なものにお金を払う気になる人が少なからずいるっていうことにも驚きます。

東直子 文藝春秋 2009年11月10日発行
平穏な日々の中で潜在化していたそれぞれの不安と不満が、志津の昔の占い客の来訪や俊の職場での諍いと家庭内での暴走を契機に、兄弟間の関係にひび割れを起こして行く様子、そして一種の諦めと開き直りで乗り切り、また新たな平穏な日々へと続いて行く様子が描かれています。家族、兄弟にありがちな葛藤、不満と折り合いのつけ方が読ませどころでしょう。
タイトルの「らいほうさんの場所」は、マンションの専用庭の志津と俊が花を植えている一角で、冒頭から謎めいた言及がされ続けますが、最後まで明確な説明はありません。終盤での言及がややホラーっぽくなっていますけど。そのあたり、納得できるか、ずっと意味ありげに関心を持たせておいて何だと欲求不満を感じるか。
本のストーリーと関係ないですが、志津が行う個別メール相談。私が電子メールでの相談をお断りしている理由でもあるのですが、相談者からの電子メールだけ読んでも、回答する側には必ずこの点はどうなってるんだろと疑問に思う点が多数出てきます。志津もそう思いながら、そこは勝手に想像してかつ当たり障りのない回答を書いていきます。占いだからそういう対応もできるんでしょうけど、法律相談だったらそれは無理というか、そういう回答じゃ相談になってない。回答する側も大変だと思いますし、こういういい加減なものにお金を払う気になる人が少なからずいるっていうことにも驚きます。

東直子 文藝春秋 2009年11月10日発行