日頃父親と関わらず関心もない大学生の娘が意に反して父親と2人で日帰りバス旅行をするハメになりその機会に父親を見直し親しみを感じるという表題作、婚約者と結婚話を勧めながら別れた後も同じマンションに住み続ける元カノをことあるごとに思い出して婚約者と比べる未練男の後ろ髪話の「欅の部屋」、沖縄から東京の大学の下見に来た従妹に馴染めず苛立つ自分と馴染む夫の距離感を描く「山猫」の3つを並べた短編集。
3編とも身近な人間関係の間合いや違和感を、特段の事件も大きな展開もなく淡々と描いています。
口数も少なくお人好しで男としての魅力を感じさせない父親が、何となく邪険にされていた娘から見直されるという表題作は、川端康成文学賞の最年少受賞作だとか。あまり華を感じさせない作品ですが、選考委員が娘に見直されたい父親たちで、テーマがその琴線に触れたとかいうことじゃ、ないんでしょうねぇ。
青山七恵 新潮社 2009年9月30日発行
3編とも身近な人間関係の間合いや違和感を、特段の事件も大きな展開もなく淡々と描いています。
口数も少なくお人好しで男としての魅力を感じさせない父親が、何となく邪険にされていた娘から見直されるという表題作は、川端康成文学賞の最年少受賞作だとか。あまり華を感じさせない作品ですが、選考委員が娘に見直されたい父親たちで、テーマがその琴線に触れたとかいうことじゃ、ないんでしょうねぇ。
青山七恵 新潮社 2009年9月30日発行