大神クォリクルミテが君臨し160人の妻との間に384人の子をなし、大神の子は「クウ」と呼ばれ大神の意志により何かを司る神に選ばれたり選ばれなかったりするという世界での、神々と「クウ」と人間の織りなす物語の短編連作。
絶対神の気まぐれで好色・絶倫ぶりと神々も人間と同じように失敗するというあたりの設定はギリシャ神話的で、しかし神々の心情が柔らかく人間的なあたりと舞台設定はアジア的です。
大神を設定しながら、その大神が力を振るう場面は登場せず、雨の神シムチャッカ、死の神グドミアノ、沼の神フィモット、音楽の神ラマリリア、戦の神テレペウト、風の神ピチュと何人かの人間たちで話が進んでいきます。そのため神々の話でも厳しく非情な展開は少なく共感しやすいファンタジーになっています。
短編同士のストーリーは無関係ですが、登場する神々の関係に少し流れがあり、死の神グドミアノは気に入ったのか「盗賊たちの晩餐」以外のすべてに登場します。
通して一つの物語とは読みにくいので、散漫な感じが残りますが、じんわりとした味わいを感じます。
あさのあつこ 学研パブリッシング 2009年10月13日発行
「アニメディア」2008年7月号~2009年6月号連載
絶対神の気まぐれで好色・絶倫ぶりと神々も人間と同じように失敗するというあたりの設定はギリシャ神話的で、しかし神々の心情が柔らかく人間的なあたりと舞台設定はアジア的です。
大神を設定しながら、その大神が力を振るう場面は登場せず、雨の神シムチャッカ、死の神グドミアノ、沼の神フィモット、音楽の神ラマリリア、戦の神テレペウト、風の神ピチュと何人かの人間たちで話が進んでいきます。そのため神々の話でも厳しく非情な展開は少なく共感しやすいファンタジーになっています。
短編同士のストーリーは無関係ですが、登場する神々の関係に少し流れがあり、死の神グドミアノは気に入ったのか「盗賊たちの晩餐」以外のすべてに登場します。
通して一つの物語とは読みにくいので、散漫な感じが残りますが、じんわりとした味わいを感じます。
あさのあつこ 学研パブリッシング 2009年10月13日発行
「アニメディア」2008年7月号~2009年6月号連載