地道に会社勤めを続けたが退職勧奨を受ける山口彰男、大学時代司法試験受験サークルの希望の星だった先輩と結婚寸前までいったがドロップアウトした彼に失望し銀行に勤めて別の男と結婚した木戸文枝、軽薄なケータイ小説家に弄ばれつつあきらめられない愛子、ニューカレドニアで友人と共同出資でダイビングショップを開く仁多俊夫、怒鳴り散らしながらも有能な脚本家を世に出したいプロデューサーの倉木丈彦らが、交錯しながら織りなす群像劇。
目次から短編集とは見えず、最後には書き下ろしと書いているのに、第2話を読む頃には短編連作かと思い、第3話を読み始めると登場人物の関連さえ断ちきられて短編連作でさえなく「ニューカレドニア」がキーワードとなる短編集かと思い、話が違うじゃないかとぶん投げたくなりました。しかし、第4話でこれまでの登場人物がニューカレドニアに集合し始め、最後には1つの話としてまとまります。そういうの、巧みというべきなんでしょうけど、通しの主人公がおらずメインストーリーがない群像劇なので、まぁ収まるところに収まったなという程度の感慨しか持てませんでした。
ニューカレドニアは爽やかでのんびりして気持ちいいぞ、ウジウジしないでやりたいことやろうよって、そういうテーマは読み取れますが。
秦建日子 新潮社 2009年12月20日発行
目次から短編集とは見えず、最後には書き下ろしと書いているのに、第2話を読む頃には短編連作かと思い、第3話を読み始めると登場人物の関連さえ断ちきられて短編連作でさえなく「ニューカレドニア」がキーワードとなる短編集かと思い、話が違うじゃないかとぶん投げたくなりました。しかし、第4話でこれまでの登場人物がニューカレドニアに集合し始め、最後には1つの話としてまとまります。そういうの、巧みというべきなんでしょうけど、通しの主人公がおらずメインストーリーがない群像劇なので、まぁ収まるところに収まったなという程度の感慨しか持てませんでした。
ニューカレドニアは爽やかでのんびりして気持ちいいぞ、ウジウジしないでやりたいことやろうよって、そういうテーマは読み取れますが。
秦建日子 新潮社 2009年12月20日発行