山田詠美のエッセイ集。雑誌「GINGER」連載のエッセイをまとめたもので、「4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール」の続編。
私が著者の作品を読んだのがかなり昔だからかも知れないのですが、著者に対しては、世間では蔑まれたり嫌われる生き方をしている人たちを堂々と描き出す、異端にして尖った作家のイメージを持っていました。このエッセイでは、雑誌連載の基準からすればそれでも直言していると評価されるべきなのかも知れませんが、私には、こんなに物わかりのいい、常識を背景に批判(も)できる人なんだという方に驚きました。例えば、「道徳より公衆道徳」と題する10項目目。小中学校の頃「道徳の時間」が大嫌いというかはなから馬鹿にしていた(37ページ)というところは、私のイメージするこの著者にふさわしいのですが、道路につばを吐いたりゴミを捨てる男を嫌い「公衆道徳の時間を義務教育の必須科目にしてくれないか」(38ページ)というのは、ちょっとイメージ違うように思えます。別のところ(「正直と嘘とだましだまし」と題する2項目目)では「そもそも〈自分に正直〉ってのが駄目なの」(12ページ)と言っています。「自分に正直」という言葉を人前で言って正当化するかはさておいて、自分に正直に生きるというか、自分は自分、他人は他人、生き方は人それぞれだろうっていう方が、むしろ著者のスタンスのように思えたのですが。

山田詠美 幻冬舎 2020年2月20日発行
私が著者の作品を読んだのがかなり昔だからかも知れないのですが、著者に対しては、世間では蔑まれたり嫌われる生き方をしている人たちを堂々と描き出す、異端にして尖った作家のイメージを持っていました。このエッセイでは、雑誌連載の基準からすればそれでも直言していると評価されるべきなのかも知れませんが、私には、こんなに物わかりのいい、常識を背景に批判(も)できる人なんだという方に驚きました。例えば、「道徳より公衆道徳」と題する10項目目。小中学校の頃「道徳の時間」が大嫌いというかはなから馬鹿にしていた(37ページ)というところは、私のイメージするこの著者にふさわしいのですが、道路につばを吐いたりゴミを捨てる男を嫌い「公衆道徳の時間を義務教育の必須科目にしてくれないか」(38ページ)というのは、ちょっとイメージ違うように思えます。別のところ(「正直と嘘とだましだまし」と題する2項目目)では「そもそも〈自分に正直〉ってのが駄目なの」(12ページ)と言っています。「自分に正直」という言葉を人前で言って正当化するかはさておいて、自分に正直に生きるというか、自分は自分、他人は他人、生き方は人それぞれだろうっていう方が、むしろ著者のスタンスのように思えたのですが。

山田詠美 幻冬舎 2020年2月20日発行