老人受刑者の刑務所・医療刑務所(今では「成人矯正医療センター」とかいうらしい)での処遇や、更生保護施設(今は「自立更生促進センター」というらしい)や民間の支援組織等の業務を取材して紹介した本。
施設・団体のご厚意で取材させてもらっているためだろうと思いますが、施設はどこも清潔で快適、食事も思ったよりも質がよい、担当は誠実で親切、守秘義務も含めた職業倫理観が高いというトーンで一貫しています。別ルートでの取材で受刑・処遇の現場に問題点があるというような指摘はありません。よかれ悪しかれそういう本として読むべきでしょう。
所持金もほとんどなく出所し、再就職もほとんどできず、窃盗や無銭飲食を犯して再入所というスパイラル現象の問題を何か所かで指摘していて、そういう問題提起の意図はあるのだと思いますが、刑務所・更生保護施設・支援組織の人々は一所懸命やっている(多くの関係者がそれぞれの個人としては一所懸命やっているということは事実だと思いますが)というトーンなので、管理(規則正しい生活)を嫌う元受刑者が更生保護施設にもとどまらず短絡に再犯に走るという元受刑者の自己責任的な色彩の印象が残ります。
受刑者専門の求人誌を発行する試みの紹介(164~174ページ)など民間から受刑者の社会復帰を支援する動きが見られることは、この重苦しい難しい問題に少し希望を感じさせてくれます。簡単にはいかないでしょうけど、そういう動きが育っていってくれるといいなと思います。

斎藤充功 中央公論新社 2020年5月10日発行
施設・団体のご厚意で取材させてもらっているためだろうと思いますが、施設はどこも清潔で快適、食事も思ったよりも質がよい、担当は誠実で親切、守秘義務も含めた職業倫理観が高いというトーンで一貫しています。別ルートでの取材で受刑・処遇の現場に問題点があるというような指摘はありません。よかれ悪しかれそういう本として読むべきでしょう。
所持金もほとんどなく出所し、再就職もほとんどできず、窃盗や無銭飲食を犯して再入所というスパイラル現象の問題を何か所かで指摘していて、そういう問題提起の意図はあるのだと思いますが、刑務所・更生保護施設・支援組織の人々は一所懸命やっている(多くの関係者がそれぞれの個人としては一所懸命やっているということは事実だと思いますが)というトーンなので、管理(規則正しい生活)を嫌う元受刑者が更生保護施設にもとどまらず短絡に再犯に走るという元受刑者の自己責任的な色彩の印象が残ります。
受刑者専門の求人誌を発行する試みの紹介(164~174ページ)など民間から受刑者の社会復帰を支援する動きが見られることは、この重苦しい難しい問題に少し希望を感じさせてくれます。簡単にはいかないでしょうけど、そういう動きが育っていってくれるといいなと思います。

斎藤充功 中央公論新社 2020年5月10日発行