伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

BUG 広域警察極秘捜査班

2020-06-17 21:17:47 | 小説
 航空会社と管制システムに侵入していたために乗客乗員560名を乗せたサミット航空172便の航空機墜落事故を発生させた犯人とされ死刑宣告を受けた当時16歳のハッカー水城陸が、環太平洋連合(PU)の下での各国警察の上部組織となった広域警察に設けられた秘密セクション「BUG」に加わることを条件に死刑執行を装って別人沖田シュウとして出獄し、広域警察幹部の命令に従い、サミット航空172便の事故で死んだと思われていたチャンドラ・ブティア博士の動向を探り盗聴等を重ねるうちに、ブティア博士が自殺したと思われていた水城の父晋也と親しかったこと、水城晋也は殺害された疑いがあることなどを知り、任務との間で葛藤しながら、晋也の死の真相、さらには自分を陥れた犯人を追い求めるアクション・サスペンス小説。
 BUGは「広域警察刑事部管理課直属、極秘捜査班盗聴ユニットの俗称」(登場人物紹介ページ、31ページ)と説明されています。こういう設定をしたらなんとか無理をしてでも何かの略だと言ってみたくなるのがふつうかなと思いますが、BUGは盗聴や盗聴器とあっさり書かれていて(31ページ)、何かの略だという記載はありません。
 水城陸/沖田シュウの敵は中盤で明らかにされ、事件の真相よりも、どうやって解決するか/真の敵を倒すかの方に関心が集まるスタイルです。
 終わりに「続く」とは書かれていませんが、水城陸/沖田シュウの雪冤は「これが終わりではない。事件はまだ解決していない。ようやく、解決の端緒についたばかりだ」と書かれ、ブティア博士陣営では騒動で終わり、いかにも続編が予定されていますという様子です。


福田和代 新潮文庫 2019年6月1日発行(単行本は2016年11月)
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