伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

ミルク・アンド・ハニー

2020-08-18 18:23:28 | 小説
 売れっ子脚本家の高遠奈津の2度の結婚と離婚、夫たちとのセックスレスと人より強い性的好奇心から満たされぬ体を他の男たちとのアバンチュールや買春で満たしあるいはなだめすかしていく姿を描いた官能小説。
 理解を示しているふりをしつつ奈津の稼ぎを当てにし、金に執着し離婚時にはさらに見苦しさを見せる夫たちの醜さ・浅ましさを描き出し、自ら稼ぎ夫が満たしてくれぬ体を持て余して不貞行為や買春をする女ばかりがなぜ糾弾されると抗議しつつ、そこは男性誌に連載されている小説ですから、主人公を結局は金銭管理ができず男に騙されるだらしない女で男の意向を先回りして忖度する女と位置づけ、最終的には強い絶倫男に屈服させ、中高年男性読者に媚びを売ることも忘れていません。
 若干の問題提起も見られますが、基本的には男性週刊誌用の娯楽性に重点を置いた官能小説(濡れ場の頻度かなり高い)です。


村山由佳 文藝春秋 2018年5月30日発行
「週刊文春」連載
コメント
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