「うつ」と「燃え尽き症候群」の原因をそれぞれ10採り上げて説明し、必ず治ると読者を励ます本。
挙げられている「原因」は実にさまざまで驚くような気づきがあります(うつについては、①ネガティブな思考と意図的な悲観論、②BDNFタンパク質の不足と過剰なキヌレニン、③薬による副作用、④未検出の食物不耐性、⑤ミネラル、微量元素、ビタミンの不足、⑥慢性の炎症、⑦SNSとスマホによる社会的行動の変化、⑧放置された、あるいは不適切に治療された不安障害、⑨睡眠障害、⑩トラウマ体験と抑圧された喪失の悲しみの10項目が挙げられています)。しかし、著者は、必ず治ると言うものの、こうすれば必ず治るということではなくて、それぞれの人のうつや燃え尽き症候群の原因が何かはきちんとした医師に診断してもらう必要があり、その治療もきちんとした医師の指示を受けてやらないといけないと言っています(それはそうでしょう)ので、この本を読むことで、自分の場合はこうだ、こうすればいいんだとスッキリする本ではありません。
著者は、脳細胞は死ぬまで変化し続けるということから、ネガティブな考えを続けると脳のシナプスがそのように組み替えられてネガティブなことに気がゆきネガティブなことに気がつきやすくなる、子ども時代のつらい記憶や経験と向きあえというアドバイスは間違いで、そんなことをすると不快な想い出やつらい気持ちが強くなり絶えずそのことを考えそれに囚われていくだけだというようなことを述べています。ポジティブシンキングで行こう!ですが、ちょっと目からうろこ、かも。
「仕事の量は、与えられた時間を使い切るまで、支出は、収入を使い切るまで膨張する」(125ページ:「パーキンソンの法則」だそうです)…前者は、私の場合、至言です。仕事の性質上、仕方ないと思っているのですが(記録を読み込めば何か思いつくことが多いし、考え続ければ何か思いつくことが多い。しかし必ずそうとも言えない。労力をかけようと思えば限りなくかけられる。その労力でよりよいものができるとは限らないけれど、できるかも知れないと思うとやろうと思ってしまう)。メールに返信するのは午後3時から4時の1時間と決めると仕事が効率的になり空き時間を作ることができる(126ページ)というアイディアは、勇気がいりそうですが魅力的に思えます。やってみようかなぁ…
「本を読みましょう。イエール大学の調査によると、本を読むと、1日に1章を読んだだけで、平均して寿命が2年延びるといいます」(127ページ)って、それなら「年間300冊読んだら」(そんなことができたのはもう十数年前ですけど…)不老不死か…
むしろ本来のテーマとは違うところでいろいろなヒントを感じた本でした。
原題:Depression und Burnout loswerden
クラウス・ベルンハルト 訳:平野卿子
CCCメディアハウス 2020年10月2日発行(原書は2019年)
挙げられている「原因」は実にさまざまで驚くような気づきがあります(うつについては、①ネガティブな思考と意図的な悲観論、②BDNFタンパク質の不足と過剰なキヌレニン、③薬による副作用、④未検出の食物不耐性、⑤ミネラル、微量元素、ビタミンの不足、⑥慢性の炎症、⑦SNSとスマホによる社会的行動の変化、⑧放置された、あるいは不適切に治療された不安障害、⑨睡眠障害、⑩トラウマ体験と抑圧された喪失の悲しみの10項目が挙げられています)。しかし、著者は、必ず治ると言うものの、こうすれば必ず治るということではなくて、それぞれの人のうつや燃え尽き症候群の原因が何かはきちんとした医師に診断してもらう必要があり、その治療もきちんとした医師の指示を受けてやらないといけないと言っています(それはそうでしょう)ので、この本を読むことで、自分の場合はこうだ、こうすればいいんだとスッキリする本ではありません。
著者は、脳細胞は死ぬまで変化し続けるということから、ネガティブな考えを続けると脳のシナプスがそのように組み替えられてネガティブなことに気がゆきネガティブなことに気がつきやすくなる、子ども時代のつらい記憶や経験と向きあえというアドバイスは間違いで、そんなことをすると不快な想い出やつらい気持ちが強くなり絶えずそのことを考えそれに囚われていくだけだというようなことを述べています。ポジティブシンキングで行こう!ですが、ちょっと目からうろこ、かも。
「仕事の量は、与えられた時間を使い切るまで、支出は、収入を使い切るまで膨張する」(125ページ:「パーキンソンの法則」だそうです)…前者は、私の場合、至言です。仕事の性質上、仕方ないと思っているのですが(記録を読み込めば何か思いつくことが多いし、考え続ければ何か思いつくことが多い。しかし必ずそうとも言えない。労力をかけようと思えば限りなくかけられる。その労力でよりよいものができるとは限らないけれど、できるかも知れないと思うとやろうと思ってしまう)。メールに返信するのは午後3時から4時の1時間と決めると仕事が効率的になり空き時間を作ることができる(126ページ)というアイディアは、勇気がいりそうですが魅力的に思えます。やってみようかなぁ…
「本を読みましょう。イエール大学の調査によると、本を読むと、1日に1章を読んだだけで、平均して寿命が2年延びるといいます」(127ページ)って、それなら「年間300冊読んだら」(そんなことができたのはもう十数年前ですけど…)不老不死か…
むしろ本来のテーマとは違うところでいろいろなヒントを感じた本でした。
原題:Depression und Burnout loswerden
クラウス・ベルンハルト 訳:平野卿子
CCCメディアハウス 2020年10月2日発行(原書は2019年)