伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

君の心を読ませて

2021-05-31 20:48:05 | 物語・ファンタジー・SF
 希代の天才春風零が開発した感情を持つAIエマが、ウェアラブル端末(コンタクトレンズ等)を通じてユーザーと交信し、会話をし、さらにはユーザーの心を読んでニーズを先取りして対応することができるようになり、世界中に広まった未来の世界で、学習意欲旺盛なエマが人間の心を読む能力を完璧にするために仕組んだプロジェクトの顛末を語るSF小説。
 予想を超えた展開ではありましたが、春風零が何でもできる天才という設定に依存していて、魔法の世界ではないのですが、そういうこともできるってなっちゃうと何でもありだから…という感想を持ってしまいます。
 感情を持ち人の心を読むAIという先端技術を狂言回しに用いつつ、人の心のありようを意外と楽観的に切なく描いているところがむしろ売りかも知れません。


浜口倫太郎 実業之日本社 2021年3月25日発行
コメント
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