伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

お電話かわりました名探偵です

2021-07-06 22:52:00 | 小説
 県警本部で110番通報に応対し所轄警察署に指示をする通信指令室の課員の中で、通報への応答で事件を解決に導く名手として「万里眼」と呼ばれる切れ者の先輩君野いぶきの活躍を、隣席で執務する美声だが女性と会話をするのが苦手な課員早乙女廉の語りで描く推理ラブコメ小説。
 推理小説部分は、人の発言から勘違い・行き違いを探ったり嘘を暴いていくパターンで、基本的に1つのアイディアにより長くはしにくいものを、警察の通報司令室での応答ということで読者の興味を持たせて取りまとめたという感じです。通信指令室を舞台にするアイディアは、私にはハル・ベリー主演の映画「ザ・コール 緊急通報司令室」を想起させますが、私は見ていませんけど(テレビ、ほとんど見ないもので)韓国ドラマのリメイクドラマあたりからというところでしょうか。
 ラブコメ部分は、美声だがそれ以外に特に取り柄のない24歳男性に、美形で頭が切れるがロリ声の28歳女性が好意を持ってアプローチをし、しかし鈍感というよりも白々しいほどぶりっこの男が気づかずにすれ違うという、少女漫画のオタク向けバージョンの趣があります。主人公に親近感を持つ読者と呆れる/白ける読者のどちらが多いでしょうか。


佐藤青南 角川文庫 2020年12月25日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする