2000年頃から胃ろうが普及して誤嚥性肺炎を起こすと病院で禁飲食になり「一生口から食べてはダメ」と宣告されて胃ろうを増設される人が増えた(4ページ)ことに対し、口腔ケアや生活習慣の改善によって、医者に禁飲食を宣告された患者が口から食べられるように回復させたり、誤嚥性肺炎を予防して口から食べ続けられるようにすることを目指して、その方法を解説する本。
永久歯に生え替わった後も、虫歯菌が食べ物の糖分を元に酸を作って歯の表面を溶かしても唾液に含まれるカルシウムが徐々に取り込まれて修復(再石灰化)されたり、内側の歯髄の血管から栄養が供給されて象牙質が作られるなどの新陳代謝が行われているのだそうです(25ページ、76ページ)。昔は、歯は自力では回復しないと教えられたものでした。何で?と疑問に思っていたものですが、やはり人間の体はどこであれ、新陳代謝をし回復していく力があるのですね。その再石灰化のためには飲食と飲食の間に十分な時間がないといけない(そうでないと再石灰化が追いつかないうちにまた歯が溶け出す)というのですが、一番いけないのがペットボトル飲料のダラダラ飲みなんだそうです(24~26ページ)。糖分を含む飲料だけじゃなくて、カフェインも血管を収縮させ唾液の分泌が抑えられたり歯茎の血行が悪くなるため虫歯や歯周病の大きな原因の一つだとされています(26ページ)。ショック…
年をとるにつれ、象牙質が増殖して歯髄腔が小さくなったり歯髄が繊維化して萎縮したりして密にあった神経や血管がなくなっていき、要するに生き物だった歯が、単なる構造物に変わっていき、こうなると虫歯になっても痛くないって(77ページ)。そうすると、高齢者の歯は結局自力では回復しないということなんでしょうか…
この本のテーマの誤嚥性肺炎は寝ている間の唾液の誤嚥が主な原因で(88ページ)、そのときに口の中が汚れている(細菌が多い)と気管から肺に入った細菌によって肺炎を起こしやすい(19ページ)、だから口の中を清潔に保つために唾液をたっぷり出すことと寝る前の歯磨きが重要だということです(20~21ページ)。そういった点も含め、人間の体・健康は、いろいろなことが繋がっているのだなぁと考えさせられます。
五島朋幸 光文社新書 2021年2月28日発行
永久歯に生え替わった後も、虫歯菌が食べ物の糖分を元に酸を作って歯の表面を溶かしても唾液に含まれるカルシウムが徐々に取り込まれて修復(再石灰化)されたり、内側の歯髄の血管から栄養が供給されて象牙質が作られるなどの新陳代謝が行われているのだそうです(25ページ、76ページ)。昔は、歯は自力では回復しないと教えられたものでした。何で?と疑問に思っていたものですが、やはり人間の体はどこであれ、新陳代謝をし回復していく力があるのですね。その再石灰化のためには飲食と飲食の間に十分な時間がないといけない(そうでないと再石灰化が追いつかないうちにまた歯が溶け出す)というのですが、一番いけないのがペットボトル飲料のダラダラ飲みなんだそうです(24~26ページ)。糖分を含む飲料だけじゃなくて、カフェインも血管を収縮させ唾液の分泌が抑えられたり歯茎の血行が悪くなるため虫歯や歯周病の大きな原因の一つだとされています(26ページ)。ショック…
年をとるにつれ、象牙質が増殖して歯髄腔が小さくなったり歯髄が繊維化して萎縮したりして密にあった神経や血管がなくなっていき、要するに生き物だった歯が、単なる構造物に変わっていき、こうなると虫歯になっても痛くないって(77ページ)。そうすると、高齢者の歯は結局自力では回復しないということなんでしょうか…
この本のテーマの誤嚥性肺炎は寝ている間の唾液の誤嚥が主な原因で(88ページ)、そのときに口の中が汚れている(細菌が多い)と気管から肺に入った細菌によって肺炎を起こしやすい(19ページ)、だから口の中を清潔に保つために唾液をたっぷり出すことと寝る前の歯磨きが重要だということです(20~21ページ)。そういった点も含め、人間の体・健康は、いろいろなことが繋がっているのだなぁと考えさせられます。
五島朋幸 光文社新書 2021年2月28日発行