外資系の食品会社の千葉工場で経理畑の事務職として働く32歳の華美が出費を切り詰めて配当中心の長期株式投資での財テクに励む様子と、同僚のセフレの直幸が出費をケチって無駄に時間を使うより現在の楽しみを優先すべきと言う様子、さらには直幸がカルト集団にはまっていく様子を描いて、お金を貯めることの意味、使うことの意味などを考える小説。
小説自体は、後半、オウム真理教めいたカルト集団が中心になっていって、お話としては展開させて盛り上げてるんでしょうけど、いかにも借り物っぽくて急速に興味を失いました。むしろ、1985年生まれ30台半ばの作者が、オウム真理教のみならず連合赤軍事件とかにこだわりを示すのはなぜということに興味を惹かれてしまいます。
38歳のサーファー女優というのが、繰り返し話題になるのですが、これは作者の深キョン推しなんでしょうか。この作品が初出の「文學界」に掲載された翌月に、適応障害での活動休止が発表されたのは、作者とともに悲しむべきなのでしょう。
羽田圭介 文藝春秋 2021年7月15日発売
「文學界」2021年5月号
小説自体は、後半、オウム真理教めいたカルト集団が中心になっていって、お話としては展開させて盛り上げてるんでしょうけど、いかにも借り物っぽくて急速に興味を失いました。むしろ、1985年生まれ30台半ばの作者が、オウム真理教のみならず連合赤軍事件とかにこだわりを示すのはなぜということに興味を惹かれてしまいます。
38歳のサーファー女優というのが、繰り返し話題になるのですが、これは作者の深キョン推しなんでしょうか。この作品が初出の「文學界」に掲載された翌月に、適応障害での活動休止が発表されたのは、作者とともに悲しむべきなのでしょう。
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「文學界」2021年5月号