次男が就職して家を出、夫婦2人の生活を始めるときに、夫真崎儿のパソコンに届いたメールから夫が子どもができた頃から何年かにわたり北海道出身の銀座のクラブのホステスだった玲季と不倫の関係にあったことを知った真崎香菜子が、過去のメールのやりとりを追い、玲季が書いた小説を入手して夫の過去の不倫の過程を読み込んで行く様子と、玲季側の事情と思いを入れ替えながら書き綴った小説。
香菜子-儿ないし香菜子の次男・旧友裕美の現在、玲季-儿の過去、玲季-編集者岡崎の過去~現在、そして玲季が書いた小説が、入れ替わり、当初は香菜子の側の憤激・苛立ちに、後には玲季側の羨望・嫉妬・寂しさに焦点が当てられます。その入れ替わり、焦点の移動は、雑誌連載による作者の気持ちの変化なのでしょうか、当初からの計画なのでしょうか。
玲季の書いた小説「四分の一の心で」は「不倫小説の最高傑作とも評価された」(53ページ)とされており、作中作としてその小説を展開することこそが、作者の自負と書き甲斐だったんじゃないかなと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_yodare1.gif)
谷村志穂 角川書店 2021年3月26日発行
「文芸カドカワ」「カドブンノベル」連載
香菜子-儿ないし香菜子の次男・旧友裕美の現在、玲季-儿の過去、玲季-編集者岡崎の過去~現在、そして玲季が書いた小説が、入れ替わり、当初は香菜子の側の憤激・苛立ちに、後には玲季側の羨望・嫉妬・寂しさに焦点が当てられます。その入れ替わり、焦点の移動は、雑誌連載による作者の気持ちの変化なのでしょうか、当初からの計画なのでしょうか。
玲季の書いた小説「四分の一の心で」は「不倫小説の最高傑作とも評価された」(53ページ)とされており、作中作としてその小説を展開することこそが、作者の自負と書き甲斐だったんじゃないかなと思いました。
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谷村志穂 角川書店 2021年3月26日発行
「文芸カドカワ」「カドブンノベル」連載