弦楽の室内楽をブラームスはこだわりをもっていたようでいくつも作曲している。
弦楽四重奏曲の第1番(1873)、第2番(1873)、第3番(1875)
弦楽五重奏曲の第1番(1882)、第2番(1890)
弦楽六重奏曲の第1番(1860)、第2番(1865)
ピアノが加わった曲は
ピアノ三重奏曲(ピアノ+バイオリン+チェロ)の第1番(1890) 、第2番(1882)、第3番(1886)
ピアノ四重奏曲(ピアノ+弦楽三重奏)の第1番(1861)、第2番(1861)、第3番(1875)
ピアノ五重奏曲(ピアノ+弦楽四重奏)は1曲(1862)
クラリネットが加わった
クラリネット三重奏曲(ピアノ+バイオリン+チェロ)が1曲(1891)
クラリネット五重奏曲(ピアノ+弦楽四重奏)が1曲(1891)
ホルンによる
ホルン三重奏曲(ホルン+バイオリン+チェロ)が1曲(1865)
ここではソナタなどの二重奏は省略している。いづれも傑作と云われる曲である。こうして並べると若い頃から晩年にいたるまで弦楽室内楽の音の冒険をさまざまにしている様子がわかる。
特に弦楽だけの曲は初期に六重奏、中期に四重奏、後期に五重奏とそれぞれまとめて作曲している。五重奏曲第1番は49歳の年に作られ、前年にピアノ協奏曲第2番、翌年に交響曲第3番を作っており、充実した時期である。第2番は最晩年の57歳の年の曲で、翌年のクラリネット五重奏曲と同三重奏曲とともに最後の室内楽曲となる。1888年以降管弦楽曲は作曲しておらず、ピアノ曲と歌曲だけとなる。
こうしてみるとこの弦楽五重奏曲はブラームスにとって重要な曲であると思う。弦楽四重奏曲にビオラを加えることで、響きの厚みを増すことを意図したと思われるが、同時に旋律楽器としてもビオラが活躍している。
第1番は私は第2・第3楽章が気に入っている。第2楽章の終わりの消え入るような弱奏バイオリンの美しいソロ、そして第3楽章のビオラを多用した厚味のある早いフーガは緊張感の持続が心地よい。
第2番は、第1楽章の躍動感ある第1主題を聴くとすぐにこの曲の世界に入り込んでしまう。無窮動のような賑やかな旋律のあと明るい第2主題の旋律が心地よい。、第2楽章の悲哀に満ちた穏やかな曲想がバイオリンの高音を支えにビオラ・チェロが歌う個所が気に入っている。その後一転してバイオリンが高音で奏でる旋律も美しい。「悲しみのワルツ」といわれて有名な第3楽章の悲哀に満ちたゆれるような出だしはブラームスならでは。さらに一転して第4楽章の早い旋律の合間に響いてくるバイオリンの穏やかな旋律が効果的である。ブラームスの弦楽アンサンブルの最後を飾る曲としてとても印象深い。
ともするとビオラはバイオリンとチェロの音色の間で埋もれてしまうのだが、このブラームスは巧みにビオラを旋律にも響きの厚みを増すためにも巧みに作っているようだ。私はビオラの響きの美しさをこの2曲で覚えた。
2曲とも交響曲などの大編成の趣きとは随分と違うブラームスらしさを堪能できる。かといって甘い旋律に流れないところが私の好みだ。
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弦楽四重奏曲の第1番(1873)、第2番(1873)、第3番(1875)
弦楽五重奏曲の第1番(1882)、第2番(1890)
弦楽六重奏曲の第1番(1860)、第2番(1865)
ピアノが加わった曲は
ピアノ三重奏曲(ピアノ+バイオリン+チェロ)の第1番(1890) 、第2番(1882)、第3番(1886)
ピアノ四重奏曲(ピアノ+弦楽三重奏)の第1番(1861)、第2番(1861)、第3番(1875)
ピアノ五重奏曲(ピアノ+弦楽四重奏)は1曲(1862)
クラリネットが加わった
クラリネット三重奏曲(ピアノ+バイオリン+チェロ)が1曲(1891)
クラリネット五重奏曲(ピアノ+弦楽四重奏)が1曲(1891)
ホルンによる
ホルン三重奏曲(ホルン+バイオリン+チェロ)が1曲(1865)
ここではソナタなどの二重奏は省略している。いづれも傑作と云われる曲である。こうして並べると若い頃から晩年にいたるまで弦楽室内楽の音の冒険をさまざまにしている様子がわかる。
特に弦楽だけの曲は初期に六重奏、中期に四重奏、後期に五重奏とそれぞれまとめて作曲している。五重奏曲第1番は49歳の年に作られ、前年にピアノ協奏曲第2番、翌年に交響曲第3番を作っており、充実した時期である。第2番は最晩年の57歳の年の曲で、翌年のクラリネット五重奏曲と同三重奏曲とともに最後の室内楽曲となる。1888年以降管弦楽曲は作曲しておらず、ピアノ曲と歌曲だけとなる。
こうしてみるとこの弦楽五重奏曲はブラームスにとって重要な曲であると思う。弦楽四重奏曲にビオラを加えることで、響きの厚みを増すことを意図したと思われるが、同時に旋律楽器としてもビオラが活躍している。
第1番は私は第2・第3楽章が気に入っている。第2楽章の終わりの消え入るような弱奏バイオリンの美しいソロ、そして第3楽章のビオラを多用した厚味のある早いフーガは緊張感の持続が心地よい。
第2番は、第1楽章の躍動感ある第1主題を聴くとすぐにこの曲の世界に入り込んでしまう。無窮動のような賑やかな旋律のあと明るい第2主題の旋律が心地よい。、第2楽章の悲哀に満ちた穏やかな曲想がバイオリンの高音を支えにビオラ・チェロが歌う個所が気に入っている。その後一転してバイオリンが高音で奏でる旋律も美しい。「悲しみのワルツ」といわれて有名な第3楽章の悲哀に満ちたゆれるような出だしはブラームスならでは。さらに一転して第4楽章の早い旋律の合間に響いてくるバイオリンの穏やかな旋律が効果的である。ブラームスの弦楽アンサンブルの最後を飾る曲としてとても印象深い。
ともするとビオラはバイオリンとチェロの音色の間で埋もれてしまうのだが、このブラームスは巧みにビオラを旋律にも響きの厚みを増すためにも巧みに作っているようだ。私はビオラの響きの美しさをこの2曲で覚えた。
2曲とも交響曲などの大編成の趣きとは随分と違うブラームスらしさを堪能できる。かといって甘い旋律に流れないところが私の好みだ。
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