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展示は何の解説もない。民芸の美を体感するのにはぴったりかもしれない。訪れる人が少ないためか、本展示の図録は3000円。残念ながら購入は不可能であった。ただしショップは図書類は充実している。民芸関係の本は文庫でもなかなか店頭には並ばないので、手に取って内容を確認するにはこのような場にくるか、図書館にでも行かなくてはいけない。現在は図書館もあまり常備しているところはなくないようなので、専門家以外がこのような図書に接するにはとても貴重な場所だと思う。
いくつかの器、特に李朝の白磁などが私の興味を惹いた。民芸品であるので、精緻で職人芸を駆使したようなものはないのだが、あのような美しい白磁を身の回り品として家のちょうどとして常備していたというのは、羨ましいような気になる。
白磁の大きな壺がいくつか並んでいたが、歪な形のものも多く、釜の中で変形してしまったものを日常使いとして利用したのだろうが、日常使いに問題はなかったはずだ。かえって不思議な存在感がある。
葡萄の葉と実をあしらった図案に栗鼠を描いた壺は、面白かった。
硯や水滴など使い込んだ艶に生活の痕跡を感じることが出来る。
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