Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

今週は予定がない

2016年06月06日 23時06分50秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 今週はうれしいことに明日以降10日(金)まだ予定が入っていない。ノンビリしたいと思っている。11日(土)以降から20日(月)までは断続的に予定が入っていて、それなりに忙しくなりそうである。
 ノンビリしたいといってもじっとしているのが苦手なので、結局何かを始めてしまうかもしれない。また美術展などに出かけてしまうかもしれない。
 退職者会のホームページの更新は記事が二つほど残っているが、これはさほどの時間はかからずに出来ると踏んでいる。
 週間の天気予報を見ると気温は高そうだが、曇りや雨のマークがある。天気の具合を見ながら、予定を立てるしかなさそうである。

梅雨に入る

2016年06月06日 20時58分42秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 昨日関東地方も梅雨入りと気象庁が発表した。暦の上では立春から135日目、太陽の黄経が80度になった日を入梅とし、この日から30日間を梅雨ということになっている。しかし実際には梅雨前線が列島に居座る時期を見て気象庁が梅雨入り、梅雨明けを発表している。そして今年は7月中旬ころに梅雨明けの予報があるらしい。
 俳句では、「梅雨入り」と記載して「ついり」と読むことが多い。私はこのような俳句特有の言葉遣いはあまり好まないが、「梅雨入り」、「濃紫陽花(こあじさい)」と語感が嫌いではない。

★大寺のうしろ明るき梅雨入りかな   前田普羅
★子と心通はざる朝梅雨に入る     森田理子

 「大寺の‥」の句、昔からよく目にし口ずさむ句であるものの、情景が意外とはっきりしない。私のイメージも寺の大きな屋根を思い浮かべるものの、夕刻のイメージが湧いてくるときもあるが、太陽が真上にあるような状況を思い浮かべる時もある。たぶん梅雨に入ったのに雨模様ではない時の句であることは想像するが、時間が定まらない。その屋根に周囲が大木があるように感じる時もあるが、樹林ではなく石畳、あるいは砂利の庭をおもい描くときもある。樹木のあるなしは、それぞれの想像の範囲だが、時刻については曖昧な印象が拭いきれない。それでも口調がいい句だといつも思っている。
「子と心‥」の句、男親・女親という言い方が正当なのかどうかわからないが、女親の句という思いがする。私の体験からは、「しょうがないな」で終わってしまうことが多い。夫婦の子どもについての対話のずれはいつもここからはじまったような気がする。この句、夫婦の対話にまで想像を飛躍させる力がある。多分女親の方が深刻に悩み、男親は「ほっとけ」なのではないか。これが深刻な対立になるか、否か、子の将来にもつながる。じめじめした心象が「梅雨に入る」と呼応する。

小林秀雄「モオツアルト」

2016年06月06日 07時35分22秒 | 読書
 実に何年ぶりだろうか。小林秀雄の「モオツアルト」を4日ほどかけて古本屋で100円で購入して読んだ。新潮文庫で67頁。確か中学1年か2年で国語の教科書に「無常ということ」が載っていたと思う。それに触発されて購入したが、分厚い単行本であった。収録されていた作品はこの文庫本と同じだったと思う。その時に「モオツアルト」を読んだ記憶がある。
 当時モーツアルトという作曲家の名前を知ってはいた。いくつかの小品をレコードで聴いていたと思うが、どんな曲だったかは覚えていない。中学生の私には難しかったと思うが、何回か読んで理解しようとしたことは覚えている。どれほどの理解をしたかはわからない。今再び立ち読みで読み返してみて、購入後に家でもじっくり読んだ。がやはり理解できないところもいくつかある。それでも4日かけて読み終わった。
 気がつかなかったが、全体の半分以上が「天才論」ともいうべき内容で、モーツアルとに言及してあるのは後半であった。前半はゲーテ、トルストイ、ベートーベン、ロマン・ロラン、メンデルスゾーン、ニーチェ、ワーグナー、ヴァレリー、スタンダールと次から次に名前が出てくる。
 モーツアルトの楽曲に即した分析的評論ではなく、文芸論的評論。文章はかななか理解が難しい。感覚的で論旨の飛躍あるが、それでも惹きつけられる文章である。
 音楽評論というものが、音楽理論家の分析的評論や、作曲家の伝記的評論から脱して、文芸的評論として成立した記念碑的作品といわれるのがよくわかる。
 小林秀雄独自の天才論からはじまり、モーツアルトの音楽に通底する美の本質は何か、ということに着目して読むことが求められる。

 今回もとりあえず一度目を通した。また近いうちにもう一度論旨を辿り、モーツアルトと小林秀雄という二人について、私なりの理解に心掛けたい。