Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

美術館まで休館が相次ぐ

2020年03月03日 22時35分44秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 本日のそごう美術館の休館の情報にはびっくり。あれだけ空いていれば開催してもいいのに、とも思った。次の院展の会期末まで休館というのにさらにびっくり。確かに院展は人は来場者は多い。私はこの院展については最近は見に行くこともなくなった。

 そしていつも申し込んで受講している「古代史セミナー」の3月講座(3.12、3.16)は2回とも中止とのハガキが本日届いた。どこも休館・中止ばかりである。

 主催者にしてみれば、開催して感染者が出てしまってはきびしい対応を迫られるので、それを避けたいのであろう。高齢者の教養講座であるから、「不要不急」であることには違いはない。
 しかし美術館・博物館までというのはどうなのだろうか。もっとも少ない来場者では採算が合わないとも思う。 いろいろといいたくなるが、取りあえず、胸の内に抑えこんでおこうと思う。


「ロベール・ドアノー」展 感想

2020年03月03日 21時12分43秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

   

 午後から横浜駅東具他のそごう美術館で「ロベール・ドアノー」展を見てきた。百貨店そごうの6階にある美術館である。そごうは人はかなり少なめ。美術館はさらに少なく、閑散としていた。美術館の中は15~16名程度しかいなかったのではないだろうか。

 もっぱらバリの街を写し取ったロベール・ドアノーは1912年にバリの郊外に生まれ、1994年、パリで亡くなっている。雑誌『ヴォーグ』や『ライフ』でバリの日常を対象にした写真家である。
 「恋人」、「子供達」、「酒場」、「街路」、「芸術家」という5つのセクションに分けて作品を展示している。

 私は「街路」、「酒場」、「芸術家」のセクションに興味があった。
 しかしどのコーナーも人物中心の作品がほとんどで、多分ドアノーという写真家は、これらの人物こそが主題であり、そしてもっとも表現したかった対象なのであろう。



 だがわたしはどうしても人物にはあまり興味が持てないのだ。一番惹かれた作品は人物の登場しない作品であった。この1955年の作品、題名は失念してしまったけれど、今回の展示でもっとも気に入った。人物は不在である。強い雨で人がやってこない街中の店であろうか。人の不在によって普段の街の賑わいや喧騒が聞こえてくるような作品である。



 もう一枚も人物の顔はほとんどわからない。1951年の「恋人たちの逃走」という作品。満月に照らし出された恋人二人が藁積みがある畑の中を怯え、追われるように後ろを振り返りながら走り去ろうとしている。劇的な効果を狙った作品と思われる。物語性を写真にこめようとしたのかもしれない。
 その試みよりも顔を明確にしないことで、物語が一層劇的にリアルに思える。

 最後の「芸術家」のコーナーは藤田嗣治も含めてさまざまな画家・彫刻家などが被写体である。アトリエや居住空間でのかれらの選択したポーズや調度、作品などからかれらの思いや思想などが少し浮き上がってくるようで、ここは人物の表情を興味深く見ることができた。
 特にジョルジュ・ブラックが大きなテーブルの端っこで、カメラに向かってカメラを拒否しそうな表情で身構えて写されていることに興味をひかれた。質素な家具類など生活感があまりしない室内である。ブラックの作品と共通するような画家の表情がおもしろかった。反対にあまりに人懐っこい感じのピカソの有名な写真との対比もまた面白かった。写真の写り方だけから見ると、親交のあった二人が正反対の性格だったように見受けられた。

 なお、多くの人物写真は偶然街中でシャッターを切ったものも多いようだが、「恋人」「子供達」などモデルを雇って撮影した作品も多いようだ。偶然ではなく、作者の意図が色濃く反映されるよう偶然だけに頼っていないことを知った。

 この展覧会、今そごう美術館のホームページを見ようとしたら、展覧会が中止になってしまった。コロナウィルスの感染症拡大予防のため休館、ということである。


「ロベール・ドアノー」展

2020年03月03日 12時39分12秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 朝から暖かい。4月上・中旬の気温になるらしい。まだ外に出ていないが、風は団地の中では吹いていない。気象庁のデータでは11時頃に6メートルの北風となっている。南風ではないので、予報の16℃まで上がるのか、とちょっと疑問はあるが、確かに暖かいことは間違いない。



 遠出をする気にはならないので、近場の美術館を探していたら、横浜駅東口のそごう美術館の「ロベール・ドアノー展」を見つけた。
 開館時間の短縮や絵画上映の中止などはあるようだが、展示そのものは中止にはなっていない。

 家の中で籠っているのはとても耐えられることではないので、午後からこの展覧会に出かけてみることにした。

 果たしてどんな写真家なのだろうか。