先ほど記載するのを忘れた。この雪掻きの「極意」は巻頭よりも南、暖かい地方で有効と思っている。北国ではあまり有効ではないと思われるので、無視した方が無難。
関東地方、特に南関東での雪は南岸低気圧の通過に際して降る。雪がやむときは低気圧が通過してそのあと南風が入り込んだり、北からの寒気が緩んだりして気温が上昇したり太陽が顔を出すことが多い。その特性を生かすと、
1.歩道の確保のために
① 歩道ないし車の通行量が少ない道路では、スコップ1本分の幅で雪を除けて、アスファルトを露出させる。
体力に余裕があったり、時間的に許されるならば2本分の幅に広げる。
⇒これにより、濡れて黒くなったアスファルトが露出し、太陽光(曇りでも十分)の熱を吸収して雪を融かすのを助長する。
② その際、道路には横断方向に勾配がついているので、高い方に筋をつける。中央が高い山なりの道路では中央、片勾配の道では高い方。
⇒水捌けをよくした方がより早く雪を解かすことになる。融けた水が流れる方向の雪をさらに融かす。
⇒体力的・時間的にゆとりがある時は3本目は低い方の路面排水の側溝があるところの除雪。
2.車の往来の多い車道、歩車道の区別のある車道は危険なので、人力の除雪は実行しない。
① どうしても実行する場合は、歩道のある側の側溝の排水を確保する。
⇒下流側のL型側溝の枡を見つけ出し、その枡の上の雪を除いて露出させる。
⇒枡の上流からスムーズに水が流れるように側溝の上だけ(スコップの幅とほぼ同じ)除雪する。
以上を要約すると
ア.黒く濡れたアスファルトの吸熱作用を最大限利用する。
イ.路面排水を確保しスムーズに融けた水を流して、夜間などの路面凍結を回避する。
この2点を常に頭に入れて除雪すると、最小の労力で効果の大きな除雪ができる。
今回の除雪には間に合わなかったと思うが、どこか頭の片隅にでも入れておいてほしい。