昼間はあまりに風が強く、外に出るのがためらわれた。16時ころに風が弱まり、スーパーまで買い物に出かけた。
横浜では14時半ころに瞬間最大風速23.4メートルの西南西の風を記録したようだ。風の吹いているときは風が冷たかったが、弱くなるとそれほど寒さは感じなかった。明日はさらに気温が低くなるとの予報である。
強風・波浪・乾燥注意報がまだ解除になっていない。
退職者会の機関紙は予定通りの進捗状況。あまり焦ってもしょうがない。24日入稿までにもうひと踏ん張りである。
葛飾北斎の冨嶽三十六景(1831-34)のほうが有名であるが、そのあとに出版された歌川広重の冨士三十六景(1858)もまた味わい深いと思う。私の好きなシリーズものである。
北斎のほうが構図的に強調され、富士山は鋭角であるが、広重のほうが一般的な視点である。しかしハッとするような構図もある。これまでにいくつかは見ているが全体36枚を見るのは初めてである。
昨日図書館から借りてきたのは、「謎解き浮世絵叢書」の1冊で、監修が町田市立国際版画美術館で平成25年9月の発行である。
ゴッホの「タンギー爺さんの肖像」の真後ろにに描かれていることでも有名な「さがみ川」である。
ゴッホの作品からはこの広重の作品の全体はとてもわからない。私は手前の葦と鷺にまず目についた。葦の細い葉が印象的であった。次に手前の筏から上がる煙と上空にいて下を覗いている鷺らしい鳥が目に入った。
上下の鷺、葦、煙、手前の筏を操る人間、この縦の要素がまず目についた。その次に遠くの富士、手前の山(海岸近くの高麗山かと思っていたが、大山と解説に記載があった)と遠くの葦の原、向こう側の筏の水平の線が次に目に入った。
このような十字の線を強調した画面が新鮮に思えた。ようやく富士山、手前の山、筏を操る人の笠の三つの相似形に気が付いた。手前から奥へ広がる空間の描写が実に広々と感じる。空と水面の鷺の動きの差も効果的ではないだろうか。鷺・煙・筏・筏を操る人の棹という四者四様の動きの緩慢の差も画面から感じることができる。煙と波の動きはゆったりとしてのどかである。
実は右上の「さがみ川」と赤く記された短冊の下にもう1羽鷺がいるのに今気が付いた。この鷺がいるのといないとではどのようになるのか、これからの宿題である。
メンデルスゾーンとチャイコフスキーの二つのヴァイオリン協奏曲の組み合わせは、「メン・チャイ」と言われて、人気の高いヴァイオリン協奏曲である。そして千住真理子が23歳で初録音したとして評判になったCD。1996年の録音である。デイヴィッド・シャローン指揮のウィーン交響楽団。もう25年も前に購入したCDだが、そのままにしていたようだ。千住真理子の弾くヴァイオリンの音はとても澄んでいて、とても丁寧な演奏に聞こえる。
メンデルスゾーンの曲のなかでももっとも有名な曲の一つと言われる。初めて聴くとだれもが冒頭のヴァイオリンの弾く主題に一気に引き込まれる。3つの楽章が続けて演奏されるように作られている。30年以上昔のテレビで誰かの演奏を聴いたときに、第1楽章の最後の強奏の盛り上がりから第2楽章につながるときの長いファゴットの音がフルート、ヴィオラ、ヴァイオリンに引き継がれていくところにいたく感激した。それ以降、聴くときはこの箇所に着目して聴くことにした。
しかしこのCDを購入して以降、理由はないが、この曲を聴くことはなくなってしまった。今となっては理由は思い出せない。あまり明るく屈託のない音楽は敬遠したのかもしれない。しかし初期のモーツアルトは聴いていたので、明確な理由ではない。
メンデルスゾーンの持っているCDはこれにて終了。この後はバッハに戻ろうと思っていたが、ベートーヴェンの最後のビアノソナタ3曲のCDを購入したので、明日はこのCDを聞いてみたい。ベートーヴェンのビアノソナタは初期の「悲愴」と中期の「熱情」をラジオかテレビで幾度か聴いたことがあるだけである。
どうせならベートーヴェンのビアノソナタの全集を購入したい思ったものの、マウリツィオ・ポリーニの演奏で、7150円であった。今は残念だが購入できる財布の状況ではない。
しかしもしもはまってしまったらどうなるのだろうか。