まさに映画的な映画ですね。映画の持つ素材を極限にまで活用し自分の映画世界を構築しようとしている。そのテクはそれほど斬新でもない。しかし、こういう撮り方は最近なかったかなあ。その分かなり目立つ作品でもあり、映像的作家映画として野心作と言える秀作となった。
原っぱに呆けたように立ち尽くす老女から映画は始まる。不思議なことに微笑むことなく女はダンスをし始める。映像は変わり、薬草を裁断するその老女のしぐ . . . 本文を読む
僕の好きな青春スポーツもの。展開がマンガチックだが、それなりにうまくお膳立てしてある。10人の長距離ランナーを集めた陸上部寮。そこが彼らの生活空間だ。まるでマンガ家の集まるトキワ荘であるかのような描写は俄然興味津津。そのままラストまで一気。
話は想定内の範囲で終わるから感動度はそれほどでもないが、でもやはり箱根を10人でつないでいく一本のタスキを丁寧に撮っていたカメラはこの映画の心根を十分表して . . . 本文を読む
ストーリー的には人生に一度はだれもが経験する燃え上がる恋の顛末である。だが、ときは200年前であり、イギリスとはいえ古臭い因習等が満ちた自由がほとんどない窮屈な時代設定ではありながら、人間のほとばしる心の綾を丹念な演出でじっくり見せてくれる。
今では考えられないセックス観にまず驚く。姉なども牧師のフィアンセと自宅で同居しているが、別室である。プラトニックらしき雰囲気。アン・ハサウェイにしたところ . . . 本文を読む