最近の石持作品はちょっと書き過ぎといった感じの作品が多いように思っていたが、この作品は実に面白くあっという間にページを繰っていた。
ベンチャー企業者とそれの援助者とのある意味復讐モノなのだが、実に登場人物もコンパクトにまとめ感服した。ラストへの急ぎすぎが少々気になったが、それでも最近では拾い物のミステリーであった。秋の夜長にあっという間に読めてしまいますよ。 . . . 本文を読む
心が清らかではないです。童心になれないです。妄想が好きではないです。現実離れができないです。お茶目な心になれないです。群れを作って何かと闘うという気持ちの一切れもありません。そして童話のような空想事が好きではない自分。
みんな僕自身の狭量のことです。こんな人間が【ジュネ】の映画を見て正しい見方をできるとは到底思われない。で、今回は感想めいたことを記述させていただきます。
結構濃密な配色は好きで . . . 本文を読む
数十年前に見た映画だから特に元映画を気にして見ていたわけじゃないけれど、所々本家取りをしているんだよね。それはそれで映画ファンにはうれしくもあるが、ちょっと意外と二番煎じといった感じがしました。そういうシーンはさらりと流せばよかったんじゃないか、と、、。
やはり現代版にすると、夫を殺してまで一緒になろうとすること自体ヘンですよね。男も女もそういう熱病的に焼け付くような恋愛の描写がなかったし、、。 . . . 本文を読む
人の死に気付く人たちが人間、死ぬ前にいかに何をすべきか、充実した時間を与えるにはどうすべきか、という少々説教じみた話である。どう展開してもこういう話は秀作にはなりえない内容なので、ポイントは映像と俳優の演技と後味のいい終わりの締め方である。
そういう意味ではこの作品は、【リー・ピンビン】の魅惑的な優美でなめらかなカメラテク、【ジョン・マルコヴィッチ】のポエムのような美声、そしてラストのメッセンジ . . . 本文を読む
ごめんなさい、というか風変わりを通り越してケッタイな話で、演劇だったらまだしも、映像でこれを通そうと思うとちょっときついのでは、と思ってしまいましたが、何か僕には最後まで違和感が付きまといました。
2段ベッドで他人なのに、お互いを監視し合う大の大人のお二人にそもそも入って行けなかったが、(ただ【浅野忠信】の変な大仰の演技は面白かった。 )この二人に興味が持てない観客はもうそこでこの映画を観る資格 . . . 本文を読む
館内をひしめく多数の美術愛好家風の女性たちを、最初の10分間でまったく異質のドキュメンタリーだと思い知らせる作品です。この映画、ほとんど美術作品は出てきません。美術ドキュメンタリーものではこの点だけで完全異質です。
まず、再建にあたり、現在館内を通り抜ける自転車通路でもめます。美術品の所蔵よりも自分の生活優先の、人間のむき出しの醜さが露呈します。ここは税金で建てられる建物だからです。委員会にかけ . . . 本文を読む