難病もののいわゆる純愛ものというのではない。白血病の少女と引きこもり青年である兄と、そして彼らを繋ぐ家族、学校、地元有志会といった人間の心のつながりをじっくり見つめた作品である。
いやあ、見る前は何か気恥ずかしいというか、この映画を是非見ようという気にはなれなかったと思う。悪いが、時間の関係でたまたま見てしまった映画である。しかし、そんな不届きな吾輩も、この映画の真摯な人間のまなざしには本当に参 . . . 本文を読む
こういう芸術ものは美術の香りが映像にあふれており、自然と演出・演技も本格なものとなっている。時間とお金を十分かけているのが分かり、映画作品としても上質の出来栄えである。
冒頭の兄の自殺が強烈で、主人公の人生を大いに左右する原点となろうと思ったが、作品ではそんなことあまりお構いなしに、娯楽作品へと突っ走っていったようだ。でもだいたい、女が絵師集団と昼夜問わず生活していて女と分からないはずがないと思 . . . 本文を読む