ミステリーにはスパイミステリーというジャンルがある。本格、倒叙という本道に一歩譲ってはいるものの立派なジャンルである。しかし米ソの緊張感が続いた時はいざ知らず、現代においてこのジャンルはどうなんだろうか、、。
そんなことを映像を見ながらついつい考えている自分。この映画、ほぼ40年ほど前の東西冷戦時代を引きずった時代の話である。いい意味ではノスタルジー、悪く表現すればちと時代感を感じてしまう映画で . . . 本文を読む
北極に近い極寒の孤島に少年院がある。そこは隔絶された世界であり密室である。そこでは教育という名前のもと、想像を絶する日常が繰り返される、、。
映像は緻密で、吐く息は白い。そこで暮らす少年たちの極限の意識が張りつめている。ちょっと反抗でもすれば過酷な労役が待っている。そしてやっと卒園するときに引き過ぎた弓が音を立てて壊れてしまう。
そこには自由という希望などはない。ほころびから来る抵抗。そして静 . . . 本文を読む