厭な映画である。人の心をいたぶるいやあな映画である。前作と違うのは、見なければいいと思った時間が極端に短かったところか。それだけ脚本が緻密でしっかりと書かれている。布を織る時の縦横の繊維が明瞭である。映画としてそれらは時として僕らの前に対比型として提示されるわけであるが、、。
まず夫婦の離婚調停。男と女の考え方の相違。結婚して14年にもなるのに夢想的な妻と現実的な夫。
別居するがゆえにメイドを . . . 本文を読む
ミステリーなんだけれど、登場人物がきっちりと書けている。よくミステリーであるところのトリックと筋立てを重視するあまり人間が書けていない、という評とは別次元の作品だ。じっくりと人間を描いている。それにひきつられ静かに静かにページめくる。
そして哀しい人間の人生を垣間見てしまう。しかし、確かに犯人探し的な要素は少ないが、大きなミステリーの流れも背景には存在する。そしてラストの思いがけないどんでん返し . . . 本文を読む