なかなか面白かった。さすが、こういう家庭内部の動的な部分のあまりない日常劇にミステリーを味付けしたその達者な演出ぶりは山田の円熟さを伺わせるに十分だ。
後で考えるに、シンプルな話なのである。戦時中とはいえ、贅沢をできる上流階級もあれば飢えで苦しむ庶民の家庭もあったのだろう。この作品での上流階級の生活ぶりを見るにつけて、しかし人間って時代を超えてけなげに貪欲に生きてゆくものなんだなあと納得する。
. . . 本文を読む
わが敬愛するアンゲロプロスの遺作。見ることは出来まいと思っていたが、ようやく公開されて感激する。創作方法が、分かりやすい最近の諸作品から、また20年ほど前の詩情豊かなアンゲロプロス独特の混迷漂う時間・空間を超えたまさにポエムとなっているのがスゴイ。
俳優陣が今回は国際スター級であるのが目を見張る。古くは「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツ、フランス映画の至宝ミシェル・ピッコリ、 キ . . . 本文を読む