僕にとって危険な映画です。最初の2つの挿話。何気なく人を殺戮するその小気味よさ。ほとんどの人間が現代を我慢してかろうじて生きながらえている中、スクリーンでは幻想よろしく、大物小物問わない悪人たちが拳銃の弾に、ばったばったと倒れて行く、、。
1話と2話の男が交差するシーン。トラックがひっくり返ってトマトだか柿だか分からないが、赤い果実が大量に道路に溢れている。その赤の色の鮮やかさと横に、死に絶えた . . . 本文を読む
見終わって「ムーンライズ・キングダム」に感覚が似てるよな、という程度の認識しかなかったが、この映画でウェス・アンダーソンはいわゆる映画作家に十分登り詰めたと思う。それほど映画ファンにはたまらないものが詰まっている作品である。
映画ってまず映像だ。これが全編凝っている。シンメトリー等の構図のこだわり。色彩の意思表示。童話的繋がり。まさに映画で絵画絵本を見ているかのよう。そういう意味では平板な映画が . . . 本文を読む