見終わって「ムーンライズ・キングダム」に感覚が似てるよな、という程度の認識しかなかったが、この映画でウェス・アンダーソンはいわゆる映画作家に十分登り詰めたと思う。それほど映画ファンにはたまらないものが詰まっている作品である。
映画ってまず映像だ。これが全編凝っている。シンメトリー等の構図のこだわり。色彩の意思表示。童話的繋がり。まさに映画で絵画絵本を見ているかのよう。そういう意味では平板な映画が多い中、この映画愛と美術志向は際立って目立っている。
アンダーソンって、そしてこんなにも俳優から愛されてるんだね。怒涛のような俳優陣の使い方。これはすごい。カメオ出演に至っては僕の知らないところでかなり出演していたんだろうなあ。フィリップ・シーモア・ホフマンも教会の場面で一瞬見たような気がしたけどどうなんだろうか。
珍しくもう一回見てみたい映画だと思いました。深い映画ではないけれど見ていて楽しくなる、そしてDVDで大切に持っていたい映画だと思います。本年屈指の映画になる予感。
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