
長らく人生を生きていると、映画を見ていてふと自分の遠い記憶に重ねてしまうことがある。この映画はまさにそうで、若かりしときに気づかなかったことが歳月がそうさせるのか、画面に心が投影し人物とともにそこに在る自分、、。
ああ、それが年を取ると言うことなんだなあと思えば、わが老残もそれほど悪くはないとも思える。何か昔見た「喜びも悲しみも幾歳月」を思い出させます。
映画の文法というものがあるとすれば、この作品はまさにその常道を行っています。ロングショットの効果的使用。極力説明を求めない俳優陣の演技設定。ラストにかけてエモーションを躍動させる効果的な脚本。すべて、一級品であります。
恐らくこれから決して忘れ得ない映画になろうと思われます。この映画の読後感はすこぶる素晴らしく、しばらく席に佇む。
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