今回もデズモンド・モリスの作品についての書評である。タイトルがセックスとあるので、ジェンダー論と絡めた人間の行動観察だろうと推測してくれる人は社会学の研究者ぐらいかもしれない。この本を通勤途中の電車で読んでいると、なぜかしらそのタイトルに注がれる視線が気にかかる。きっとその視線の意味するものは、中年男が社内にも関わらずエロ本を読んでいると誤解しているものであろう。さて、私にとって特に関心したのは月経についての記述である。人類学者のクリス・ナイトによると身近に一緒に暮らしている女たちは月経周期を同調させる傾向があると言う。(1960年代のポップコンサートでキャーキャー叫び、感情的に一体となった若い女性の月経周期が同調)狩猟時代においては男は狩りに、女はみんな一緒に暮らして男たちの帰りを待った。女は、大量の出血をすることで自分を魅力のない状態にした。獲物を男たちが持ち帰ったらセックスするという約束で、出血が終わるまで男たちを長い狩猟に出かけさせる効果があったという。この説には、関心しきるな私であるが、職場でちょっとした一言として話すには躊躇してしまう。それは、タイトルのせいであろうか?それとも異性のしかも月経についての内容からだろうか?40名の男女に話す機会が本日あったにも関わらず、顔を赤らめてしまった拙者でした。
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