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介護老人保健施設

2009-03-25 09:55:51 | Weblog
集に一回、身内のお見舞いのために病院に行っている。
そこは病院ではあるが、
介護士も多数いるので病院に併設された
介護老人保健施設かもしれない。
聞くと見るのは大違いであり、
驚かされることが多い。
まず、老人の多さ。
竜宮城から戻って玉手箱を開けた人びと
充満している煙を皆が吸ってしまったかのようだ。
そして先日驚いたのは、大音量で響いている音楽。
それは谷村新司の歌声が大音量で流れてくる。
午前中は老人みんなで小学校唱歌。
ジャニーズのニューズの新曲も流れてくる。
聴くところによると、
ジャニーズは若い介護士の趣味で流していること。
音楽療法の一部などと構えるわけではなく、
趣味の延長でそれぞれがリクエストを出して音楽を流しているそうだ。
音楽と病院の関係を実体験として見た感じだ。

かつて鷲田清一の『「聴く」ことの力』を読んだ後に、
ケアの現場では、病気ではなく人に対して向かい対応する、
聴くことの大切さが書かれていた。
そんな本を読み終えたある日の病院への訪問。
大きな叫び声をあげながら
「どなたか助けてください!車イスを持ってきてください!」
と叫ぶ老婆がいた。
しかし、看護士も介護士も誰も助けない。
実情を後で知ったが、
脳に障害が出てしまってそのように叫んでいるとのこと。

「痴ほう」という一語で片づけられないような複雑な気持ちになった。
『妻を帽子とまちがえた男』、
『生存する能』などの脳科学関連書で読んだことがあるが
脳に異常が発生することで、
理性や感情に異常がでてしまう。
それは検査では分からないような理性や感性の変化だ。
経年劣化で雨どいが壊れることもある。
同様に経年劣化で傷んだガス管からはガスが漏れることも・・。
いつかは、自分の脳の細胞もプッチンの可能性も・・。

先の話に戻るが、『助けて下さい!』に対して
聴こえないふりをして、誰も対応しない看護師たちや介護士たち。
彼らの対応を見ていると
あえて「聴かないことの大切さ」もあることを痛感した。

さらに、入浴の介助をしてくれる若い男性介護士。
こんな年になっても
(こんな婆さんでも女なのと不満を口にする老婆)
若い男性の介護士に入浴介助をしてもらうことをえらく躊躇っている。

さらに老人たちに対しての介護士・看護師の対応が気にかかる。
特に声のかけ方が妙に・・。
介護が必要になっても人生の大先輩。
彼らに対して、小さな幼児に対しての声掛けと同様に聞こえてしまう。
 「はい、よくできましたネ」と子供を誉めるような口調での声掛け。
 介護士の養成学校では、そのような指導がされているかもしれないが・・。
大人、そう様々な経験を積んできた人生の先輩にたいして、
第三者がみても幼児を扱うような対応は大いに気にかかってしまう。

*先日集中してスポーツとナショナリズムについての関連書籍を読んだ後なので、
 職場の人たちがWBCの試合に釘づけになっている姿に恐ろしさ(世論操作)さえ感じてしまう。



コメント (2)
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