大量の本が置かれている鬼怒川に行ってきた。
本棚が倒れ、
多くの本が散乱しているかもしれないという心配はあったが
びっしりと隙間なく本が詰まっていたこともあり
一冊も棚から落ちている本はなかった。
鬼怒川でビックリしたのは観光客の少なさだ。
鬼怒川には、水力発電所がある。
地元のダムで電気を作っているのに
計画停電対象地区となっているのである。
都内は停電にならないのに・・。
地元のホテルも容赦なく計画停電。
一日二回も停電。
時間帯によっては
エレベータの使用をひかえるように
張り紙が貼られていた。
室内の廊下も半分の電灯が消されていて薄暗い。
「自粛」が経済を縮こませると識者は消費拡大を提唱するが
計画停電に脅えながら
ホテルに宿泊する客などいるわけはないのである。
さて、話は本題に入るがゼミ仲間の加藤さんが
新泉社から『ゲームセンター文化論』を出版した。
加藤さんとは、
毎週行なわれているゼミで顔をあわせている。
この『ゲームセンター文化論』は、
加藤さんの博士論文が土台となっている作品だ。
学術書でゲームセンターを扱っている最初の本だと思われる。
この出版によりゲームセンター研究の第一人者として評価されるに違いない。
ゲームセンターに置かれているコミュニケーション・ノートの内容紹介から
ゲームセンターに集う若者の心理の一端を理解できる。
また、ゲームセンターで遊ぶ人たちへの
インタヴューもリアルであり
本の内容に厚みを増している。
さらに各章末にある注がとても詳しい。
注もしっかり読んで納得できる本となっている。
卒論作成にあたり、
ゲームセンターやプリクラ等についての
卒論作成を考えている大学生には
とても役立つ一冊になるはずだ。
読みすすめると如何に多くの文献や調査データに
支えられた作品であるかが良く分かる。
筆者の考えもあり博士論文の記述内容がところどころ残っているので
その部分は一般の読者には読みづらいかもしれない。
以下の章から成り立っている。
ゲームセンター文化論――メディア社会のコミュニケーション
目次
序章 ゲームセンターの若者たち
第1章 ゲームセンターへの視線
第2章 ゲームセンター文化の生成
第3章 コミュニケーション・ノート
第4章 イラスト・ノート
第5章 快適な居場所とするための戦略
第6章 伝言・掲示板
終章 新たな若者文化のきざし
補論1 女子中高生の日常写真ブーム
補論2 プリクラを消費する少女たち
プリクラの発案者である佐々木美穂は、「よく撮れること」より「かわいく撮れること」を重視し、「カメラは業務用ではなく、写真の粒子が適度に粗く、実物より肌がきれいにみえる家庭用のものを選定」したとの記述はなるほどと納得してしまった。
350ページにも及ぶ大作ですが、内容も豊富であり読みやすいお勧めの一冊です。
ぜひ、購入してあげてください。