日本原子力学会の提言書をネットで見つけた。
それは2009年に出された
「新学習指導要領に基づく小中学校教科書のエネルギー関連記述に関する提言」。
一言で言ってしまえば
教科書の記述について、
リスクは少なめに書き、
効率性を強調しましょうという提言だ。
以下は一部抜粋。
「原子力発電所のいろいろな事故の発生確率や事故の影響を評価した結果、年間死亡確率が10-6( 百万人に1 人) より十分小さいことが示されています。そこで、原子力施設の事故が起きる可能性を記載するだけでなく、原子力施設の安全性は高く、実際にはガン、自動車事故などよりもリスクが十分小さいことを併せて教えるべきであります。」
福島原発事故後の今、
これらの提言を読み返すとこの学会が御用学者の集まりであり、
いかにある意図を持って提言しているかを検証することは容易である。
学校教育の場において、
原発の必要性・有用性といった良い面が強調されて
子供の頃からそれらが刷り込まれる危険性があることも危惧してしまう。
都合の悪いことはオブラートを被せ、
都合の悪いことには触れていない。
「原発」や「関東大震災」が勤務校ではどのように授業で扱われているのか?
そこで社会科の(仮称)山ちゃんに質問を投げかけた。
(どうでもよいが山ちゃんはブラックマヨネーズのぼつぼつの方に天皇陛下を掛け合わせたような人物だ。)
質問は、「関東大震災」について。
「日本史」の近代で学ぶのか?
それとも、「政治経済」で学んでいるのか?
山ちゃんが言うには、どちらの教科書にも出ているが
1923年に関東大震災が発生したという事実程度の記述だそうだ。
彼は私の質問の意図をくみ取って
風説の流布により多くの朝鮮人が殺されたことを話すことは雑談としてあるかも。
受験に出ないので、内容に突っ込んでの学習はしないそうだ。
私も偉そうなことはいえない。
「関東大震災」において安全な避難場所であるという「うわさ」。
それを信じて多くの人びとが集まった場所で人々を取り囲むように炎上。
その避難場所だけでも多くの死者がでた話などは大学院で学んだことだ。
以下は最近読んだ災害ユートピアからの抜粋である。
今回も私が知らなかった内容が一部含まれていたので書き留めておきたい。
「この地震による死者は12万5千人にのぼったが、そのほとんどが、木造住 宅の密集地で、破裂したガス管やひっくり返った調理用コンロから出火した火事 の犠牲者だった。加えて、巨大な地震により多くの井戸の水が濁ったのだが、火事は放火によるもので、井戸は急進派や朝鮮人が毒を入れたのだがという噂は、 むごたらしい大量殺人に発展した。約六千人もの朝鮮人もしくは朝鮮人に間違えられた人々が、何人かの社会主義者とともに自警団員により殺された。」 レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』亜紀書房
*一言
地震多発の日本に原発があることが問題なのか?
汚染水が問題なのか?
作業員が防御マスクをつけなかったことが問題なのか?
すでに現地で被爆した人が何十人もでたことが問題なのか?
夏場の電力不足で停電になることが問題なのか?
原発を止めて月千円電力料金が値上げになることが問題なのか?
問題は、問題点を多々あげて冒頭の問題をすり替えていることが問題なのではないか。