芋焼酎はいかがですか?

英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

『東北方面への旅行』

2012-05-15 07:07:07 | Weblog

先週、生徒を引率して

東日本大震災で甚大な被害を被った被災地へ行った。

「どこに行ったのか?」

「被災地に何の目的で行ったのか?」は

以下のリンク先にある新聞紙面を見ていただきたい。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201205110336.html

http://www.sanrikushimpo.co.jp/cgi-bin/page.cgi?MODE=3&CATE_ID=0&FILE_ID=9 

私の仕事は裏方の仕事だ。

自分でもその方が性格的にあっていると思っている。

今回の旅行も裏方として計画した行事だ。

職場では高3の最終学年の行事の一つとして

都内有名ホテルでのテーブルマナー実施が慣例であった。

フランス料理のフルコース。

マナー講座付きで、1万円以上。

マナー講座自体はなかなか学ぶ機会もないので、

その実施に賛同する教員も多い。

私は物事を斜めに見ることも多いので、

約400名の高校生が同じようにナイフとフォークを持ち

高級ステーキを同時に食することに少々疑問を感じてしまった。

特に今回の旅行を計画したのが昨年の10月だからだ。

まだ、東日本大震災から半年程度しか経過していなかった。

テーブルマナーはいつでもできる。

そもそも何本ものナイフやフォークがプリセットされていて

どれにしようかを迷うような場合は大衆的な結婚式場・・。

 

そこで、被災地に行くようなツアーを組めないかどうかを旅行業者に相談。

なんとかできそうであるという返答をもらったが其処からが大変。

新幹線の団体予約は約6ヶ月以上前でないと座席が確保できないことが判った。

そこで、急遽企画書の作成、上層部への直接交渉を行った。

 

一部の教職員や保護者からは以下のような疑問が発せられた。

「再度、東北地方に地震があり津波が発生したらどうする?」

「放射線線量は大丈夫か?」

 

現地で今も暮らしている人がいて、

観光の町でその仕事で再起しようとしている人がいるのに・・。

怒りと落胆が入り交じった複雑な気持ちながら

全ての疑問に丁寧に対応した数ヶ月だった。

1 学年広報紙に旅行への理解を求める記事も書いた。

2 現地の放射線量、宿泊先ホテル、現地観光協会などのウェブページを含む保護者向けプリントも発行した。

3 保護者向け直前旅行説明会も企画し、私が全て一人で対応した。

 

なんとか旅行が無事に終わってほっとしているのが正直な感想だ。

現地では、3つの講演(90分×3回)と現地見学を取り入れた。

語り部の老人は言う。

「この防災庁舎を見ると当日を思い出して涙が出てしまう。しかし、あの日のことは語り継いで行かねばならない。」

「家はまだ良い。一人死んだだけだから・・、遺体があがったからまだ良い・・。」

というような会話が震災後に頻繁に行われていたことも語られた。

街には何もない。

瓦礫が港の側に大量に積まれていた。

家の基礎部分のコンクリートがあるだけ。

地面はキラキラしている。

粉々に割れたガラスが散乱しているからだ。 

生徒諸君は、

メディアが伝えるものと自らが現地で感じるもの、見ることが全く違うことを感じたようだ。

さらに、「日常」の何気ない有り難さを。

事前準備が本当に大変な仕事だったが、やってよかったとつくづく思っている。 

 

コメント
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