タイトルにひかれて購入した本の紹介である。
アイシェアの2010年調査では40~50代の既婚で子どものいる有職男性の半数以上が「自宅難民」だそうだ。
「自宅難民」とは自分の趣味を楽しむ時間がない」
「一人になれる時間、場所がない」、
「見たい番組が見られない」という不満を持つ男性だそうだ。
この定義に従えば、
私も「自宅難民」の一人であることに間違いはなさそうだ。
都内だけでも90万戸近い空き家がある。
そこで難民が男の隠れ家を借りることができる可能性も筆者は紹介している。
下記に示すのは、首都圏在住40歳から64歳の男性2000人以上へのモニター調査から明らかになった項目である。
離婚したいと思いやすい夫はこんな人
・自分の学歴が高卒以下
・自分の職業が自由業、自営業
・妻が結婚出産後も継続して働いている
・妻が自由業、自営業
離婚する男性はこんな人
・ 年収が300万円未満
・ 学歴が高卒以下
・ 職業が自由業、自営業
・ 勢いで結婚した
・ ひとりでいるのが好き
・ 家事をよくする
・ 妻が正社員
・ 妻が夜遅くまで帰らない、夜遊びしがち
三浦展さんの著作はどれもタイトルが刺激的である。
今回の本も自宅の机上に読みっぱなしに置いておくわけにもいかない。
さらに背表紙がみえるので、
朝読書というショートホームルームの時間に読むわけにもいかなかった。
ささっと通勤電車の中で読んだしだいである。
読後の感想としては
「そのような事実がありそう」、
「そう思いそう」、
「そう予想しそうな」。
筆者が代表をつとめる
「カルチュラルスタディ—ズ」研究所実施調査等で裏付け(実証?)して論を進めている。
調査そのものの信憑性に問題があるのかもしれないというのが率直な感想だ。
商品の良さがすばらしいのか?
それとも素晴らしい商品だと様々な媒体を利用して大衆に告知して
すばらしい(らしい)と思い込んでいるのか?
筆者には申し訳ないが
「マッチポンプ」に陥る危険性も大であることを痛感した。
しかしながら、筆者に賛同できる点もあった。
それは、世の、中高年男性は「女性原理」を取り入れていきていくという提案。具体的には男性も家事と趣味を楽しむこと。
日常の生活を愛し、衣食住を趣味として楽しむことである。
さらに、
「広告がしばしば描く仲の良い熟年夫婦などは、私には気持ちが悪い。あれは単に物を売るために都合の良い夫婦像を広告代理店が捏造しているのだと思ったほうが正しい」というもその通りであると思う。
* スパイ大作戦というアメリカのテレビ番組の冒頭は以下のシーンから始まる。
「おはようフェルプス君。・・・今回の君の使命だが・・・例によって君 もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからその つもりで。なおこのテープは自動的に消滅する。成功を祈る。」
→これにならってこの本も消滅?させないと家庭内における本の所在理由についての説明が面倒くさそうである。