闘病中であった母との別れをとうとう迎えてしまいました。
よって先週の半分は慌ただしく故郷で過ごしたしだいです。
業者との打ち合わせなど今回の細かなことは全て兄弟にまかせました。
お陰さまで最後の有意義な時間を過ごす事ができました。
私は母の顔にかけられた白いガーゼをとり
母の顔を見ながらの言葉にならない静かな会話の時間。
今回は高齢でもあり葬儀は家族葬を選択。
最近できたばかりの会館の会場は30名収容の会場でした。
それはまるでマンションの一室のような間取り。
突き当たりがダイニング、
その両脇に和室とバスルーム。
中央の広いリビングに見立てた空間で式典が進められました。
「消費の対象」としての葬儀。
そこで私にとって印象深いことを何点か記しておきたいと思います。
檀家としてお世話になっているお坊さんに、まずは連絡。
さっそく枕経をよんでいただきました。
そこで、いくら位つつんだらよいかを尋ねると55万と速答。
それは前回より25万程安い回答でした。
理由はわかりませんが葬儀が増えていることの収入増?かもしれませんし、
他のお寺とのお布施(価格)競争ゆえの値下げかもしれません。
さらに4万円を加えていただきたいとお坊さんからの一言。
今回は土曜日に実施なので、休日扱いとして一人1万円追加。
臨済宗は最低でも4名(メイン+太鼓係、鐘係、進行係)のお防さんで式典を行うので4万円とのことでした。
葬儀会社には痒い所にも手が届くようなオプションが増加されていました。
まずは、受付係。
高齢者が多いことに加え地域縁も弱まっているので
親戚や地域の方に式典受付係を最近は頼まないとのこと。
葬祭業社系列の派遣会社からの受付派遣が用意されていました。
2日間で5万円。
家族葬で参列する人も少ないのにとも思いながら
ワナにかけられました。
さらに故人が好きな音楽や歌についての質問や確認もありました。
これについては式場に派遣された音楽家が故人の好んだ音楽や歌をライブ演奏してくれるそうです。
さらに会葬御礼の文章も文書力がある喪主が書いたようなオリジナル風文章になるサービスも設定されていました。
清水の通夜では「通夜ぶるまい」はありません。
それは参列された方々に飲食を提供しないということです。
通夜ではお坊さんの読経が15分。
特にありがたい?説法も何も無く終了が通例です。
そこで通夜終了時に参列のお礼をぜひ言わせて欲しいと私は兄弟に懇願しました。
お坊さんに対しての少々の怒りと参列者の方々にお礼したいという気持ちが沸き上がっての涙を流しながらのスピーチとなりました。
<内容抜粋>
「いいよ」と常に他者のことを気にかけてきた母。
親戚や友人の方に今回の式典のことを伝えて良いかどうかを母に尋ねたら、きっと母は「いいよ」言わないで返答すると思います。
・ 夜出てくるのはたいへんだから・・。
・ 夕飯の支度にたいへんな時間だから・・。
・ 雨が降りそうだから・・。
・ 明日も仕事の人も多いだろうから・・。
私は、今、母に言いたい。
「いいよ」自分のことだけ考えれば・・。
「いいよ」もう頑張らなくて・・。