先週は、書評と書いたのですが3冊を読み終えた感想を書きたいと思います。
偶然にも?「裸の大陸」シリーズが藤木TDC『アダルトビデオ最尖端』と田中雅一『癒しとイヤラシ』の二冊で取り上げられていました。
それは斬新な企画だからに他なりません。
新大陸発見以来、未開の地に足を踏み入れた多くの男性が現地の女性と性的関係を持つことが行なわれていたと思われます。
それは、田中さんが指摘しているように性の搾取であり、支配だったに違いありません。
しかしながら、この「裸の大陸」では現地の人とセックスするのは日本からやってきた女性であるという事に大きな違いが見られます。
たかが脚本のあるAV(アダルトビデオ)での話しということで片付けられない問題点を含んでいると私は感じています。
さて、AVは80年代以降に使われるようになった言葉です。
1960年代には「ピンク映画」、「エロ映画」、「ハダカ映画」と呼ばれていました。
1970年代になると日活ロマンポルノが大ヒットして「ポルノ」という言葉が定着したそうです。
70年代後半~80年代にかけて
映像を作成する機材の値段が大幅に下がったそうです。
具体的には78年にビクターはカメラ(GC-3350)を29万8000円、
ポータブルレコーダー(HR—4100)を24万8000円で販売しています。
それによって作品制作が容易になったということは言うまでもありません。
80年代に入るとVHS再生機が一般家庭に普及。
85年には松下電器が価格10万円をきるVHSデッキマックロードYOUを発売しています。
ここから判るのは、作品を家庭で見ることが出来るようになったということです。
一本15000円程度で販売されていた作品テープもレンタルで視聴することが可能になりました。
それまでの映画館から(ラブ)ホテル、そして個人視聴への変化の時代でもありました。
レンタルビデオが登場する前は、専門の映画館で三本立てのピンク映画を鑑賞するか、中身が見えないビニール本(ビニ本)を書店で購入するか、自販機本で夜こっそりとエロ本を買うという時代でした。
当時はエロ本は、アンダーヘアーに厳しい時代でした。
日本よりも規制の緩い海外の雑誌をおみやげとしてもらっていた時代でもありました。
その後、AVの業界団体が日本ビデオ倫理協会などを設立して自らの審査基準をかつてよりも甘くした(ヘヤーについて)という指摘は私が抱いていた疑問解消となりました。
さて、現代は高齢化社会に突入しています。
AVもそれに対応した作品が登場しているようです。
いわゆる、「熟女」もの。
さらに「汁男優」という男優にも1934年生まれの現役AV男優、徳田重夫さんがいるそうです。
ピンク映画の時代の女優さんの多くはお金に困ってAVに出るしかなかった時代。あるいは風俗業で働いている人の副業。
しかし、現代ではその様相は変化しているようです。
お金には困っていない若くて美しい女性が気軽にAV出演しているようです。
かつてビジネスホテルの有料チャンネルでこっそり見ていたAV。
今や、スマホ、パッド、パソコンがあればどこでも見れる時代に進化しました。
私はAVという文化を経験し語ることの年代なんだなということを実感したしだいです。