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『幻の東京オリンピック』

2014-11-18 07:07:07 | Weblog

2020年に日本でオリンピックが実施されます。

それは1964年に次ぐ、東京での2度目のオリンピック。

前回のオリンピックでは

ご承知のように首都高速道路が建設されました。

さらに、新幹線が開業しています。

オリンピックを見るためにテレビの購入も急増しました。

白黒テレビ生産は13,000台(1953)から5,196,000台(1964)になりました。

自動車生産台数も激増。

トヨタ史によると

1945年           0台 

1955年        7,403台

1960年       42,118台

1964年      181,738台

2011年 2,473,546,000台

このように経済を発展させるに寄与したイベントのオリンピックですから

自然に2020年のオリンピックにも期待が高まっているようです。

 

さて、お恥ずかしい話ですが

1964年よりも前の1940年に東京オリンピックが実施されることになっていたことを私は数年前に知りました。

実施が決まりアジアで初のオリンピックが開催される予定でしたが、

日中戦争の影響もあり、日本は辞退に追い込まれました。

浜田さん(現在島根大学教官)の博士論文内容発表で初めて知った次第です。

一般的には教科書にも記載されていません。

実際、テレビ番組で取り上げられることも殆どありませんから、

それを知らない人の方が多いかもしれません。

 

さて、橋本一夫『幻の東京オリンピック』講談社学術文庫を読みました。

その中で印象に残ったことをご紹介したいと思います。

 

1940年のオリンピックではメイン会場として10万人規模のスタジアム建築計画もあった駒沢球技場ですが、(1960年の東京オリンピックのサッカー会場としても使用された駒沢球技場)、元は東急グループ傘下の東京横浜電鉄が経営していた駒沢ゴルフ場だったそうです。知りませんでした。

 

ロサンゼルスオリンピックでは、国内のオリンピック放送をめぐるNBC(ナショナル放送会社)と米オリンピック委員会の対立で実況中継が不可能になったためにオリンピック史上初めての「実感放送」で日本に中継されたそうです。実感放送とは、スタジアムで競技観戦をしたアナウンサーが終了後にスタジオに駆け込み、見たままを実況さながらに再現して放送するスタイルです。

 

第二次世界大戦勃発後、ドイツ軍はベルリン大会の聖火コース沿いにギリシャに進撃し、聖火リレーが周辺各国の情報収集に利用された」(pp.226)そうです。日本陸軍も参謀本部としても、大陸横断の聖火リレーは、中央アジア一帯をはじめとする広範な地域の地理や地勢、辺境における中国、ソ連など各国軍隊の配備状況を知る好機と考えたそうです。

 

以上

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