とても文体は柔らかく読みやすい作品でした。
彼の著作の『絶望の国の幸福な若者たち』、『希望難民ご一行様』を読んだことがあります。
古市さんには「若者論」の印象があったのですが、
「保育園」というタイトルには少々疑問を感じながら注文しました。
読み始めると、内容が豊富で面白くて一気に読み終えてしまいました。
何箇所か興味深い箇所をご紹介したいと思います。
・ハンガリーでは2014年から3歳からの義務教育が始まった。
・母親と子どもが「一体」であることが求められているのだ。子どもが泣くのも、全部母親のせい。
この国では「お母さんというだけで「人間」扱いしてもらえなくなる
・都心にはオムツを売っているコンビニが少ない。・・それで結局「Amazonファミリー」に頼る人が多いようだ。オムツとおしりふきはいつでも15%オフ、それを最短当日に無料配達してくれる。・・なぜかアメリカ企業が都心のママの子育てを支えているのである。
・「努力ができる」という能力は、子どもの頃に身につけた習慣に大きく影響されている可能性が高い。
・今から1000年ほど前、捨て子は日常茶飯事で、それを助けようとする人もいなかった。赤ちゃんは無防備のまま放置され、牛や馬に踏み殺されたり、犬に食べられてしまうことが多かった
・1780年に産まれた子どもは2万1千人。そのうち母親のもとで育てられた子どもはなんと、1000人にも満たなかった。
・「女性が育児をするものという考え・・大正時代に都市部から始まり、昭和時代に徐々に庶民の世界にも拡大していったらしい。
・1930年の段階で、「サラリーマン」と呼べそうな人は日本全体で約200万人しかいなかった。今から考えればとんでもないエリートである。
・日本で女性の働いている割合が最も少なかったのは、1975年
・日本政府の本気度が見えない最たる例は、待機児童問題だ
・生涯未婚率は2010年で約15%、2030年には25%が生涯独身となる
・独身の30代前半、4人に1人は童貞・処女
・昔の若者のほうがセックス経験率は低かった
・今や20代男性の平均年収は348万円、25%が非正規
・フランスではすでに3歳からの保育園は無料だし、その義務教育化も検討されている
これだけの内容で1000円。
100%保育園義務化に賛成です。
ぜひ、一読をお薦めします。