「ママっ子男子」という語が気にかかりました。
それは執筆当時博報堂に勤務されていた原田曜平さんの作品です。
そして「ママっ子男子」は彼の造語。
「ママっ子男子」とは「母親と仲が良いことを公言し、ショッピングや外食などの消費行動を母親と共にする、美容や健康にも関心が高い。恋愛やセックスの相談を持ちかけるなど、母親と友だち感覚でつきあう。その一方で、母親に対する精神的な依存度が高いとまではいえない。」男子です。
高校の教員としての私の経験では、
・保護者会での3者面談時に、両親が来校することが増えている
・3者面談実施日に親子で学校仲良く登校する姿も多くなっています。
以前であれば、母子で並んで歩くだけでも「ババア」などと母親に罵声を発している男子はそれなりの数はいましたが、今ではフラットな関係が増えてきているようでもあります。
進路選択の3者面談時に、私と向かい合わせに母と男子生徒。
私が模試の資料を提示して、二人に見てもらうような状況での横並びの密接関係を見るような場にも遭遇します。
その他にこの本の中で紹介されているのは
・「大学生のお弁当率がすごく高くなっている」こと
・「親を対象にしたゼミと就職に関する説明会」が実施されていること
・就職活動で「オヤカク」という言葉が流行しているということ
ちなみにオヤカクとは「親確認」の省略。
それは企業が内定を出す際に親に確認をすることだそうです。
そのような事をする理由は
学生に内定を出しても、翌日に母親からのお断りの電話がかかってくることが頻繁に起こっており、それを防ぐため事前に親に確認をするそうです。
保護者会を実施する大学も珍しくはなくなりました。
卒業式も保護者、祖父母も参列するので、大学が用意した一か所の会場に入りきれない現象がおきているとも聞きます。
ベネッセの2009年実施調査でも
「学校での出来事について」母親と会話するかどうかという質問に対し、
2004年68.4%に対して2009年の中学生は73.8%が「よく/ときどき」と返答と割合がましています。
昔は、何でもしゃべれる親友。
今、親友に話すと情報はあっという間にソーシャルメディアで伝わってしまう恐れがあり、
本当に大事なことは友だちだからこそ言えないとの調査結果があります。
それゆえに母親に何でも相談する生徒が増えている。
母親は他人に秘密を漏らしたりしませんし、恋愛などについての経験値も備えているので的確な助言をムスコにしているそうです。
母親にとっては「くそババア」と言われるよりは、気分的には良いかもしれません。
でも、自立を考えると問題ありと思うのは私だけでしょうか?