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宮入恭平『ライブカルチャーの教科書』青弓社 を読んで

2019-08-06 07:07:07 | Weblog

 7月末に発行された『ライブカルチャーの教科書』を読みました。

さて、この本の最終頁には青弓社の既刊本が紹介されています。

『ライブハウス文化論』

『発表会文化論』

『ライブシーンよ、どこへいく』

ミュージシャンであり、研究者でもある宮入さんは青弓社からだけでもライブカルチャーについて3冊も関連書籍を出版されているその分野の専門家です。

ちなみに私と同様に宮入さんも渡辺潤先生の門下生です。

 

この『ライブカルチャーの教科書』は2011年に刊行された『ライブシーンよ、どこへいく』を大幅にリバイズされたもの。

最新のデータが提示されて、大幅に書き直しがなされています。

構成は

ライブカルチャーの全体像

第1部 視点

 メディア、産業、法律、政治、社会、アイデンティティ、教育

第2部 応用

 アイドル、アニソン、ツーリズム、ライブハウス、ストリート、フェス、レジャー

「アニソン」などは、私にとって未知の分野でもあり興味深く読ませていただきました。

「アイドル」の冒頭は西城秀樹についてです。

コンサート前日に「何か光るものを持参してほしい」という彼のラジオでの呼びかけに対して74年に大阪球場でおこなわれたコンサートにファンが懐中電灯を持参したこと。

そして、それが後のサイリウム(ケミカルライト)になったことが書かれていました。

それを知らなかった私はパートナーに自慢げにそれを話したところ、

彼女からは意外な反応。

ライターは危ないから、懐中電灯持参をお願いしたと秀樹が言っていたと・・。

真偽は分かりませんが、その時代、その時代にアイドルと共に生きた私たち。

西城秀樹について、やけに詳しいパートナーに驚かされたしだいです。

 

この本の「教科書」というタイトルやこの本が14章から構成されていることからも半期モノの授業での使用を想定したことが明らかです。

その時代を象徴する多くの情報が集められており、文体も読みやすいものとなっています。

教科書だけでなく、ライブカルチャーという分野に興味がある方々にお勧めの一冊です。

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