タイトルにひかれて購入した一冊です。
印象に残った点もありますのでご紹介したいと思います。
(1)一般的に求人票には初任給や待遇などが書かれているのに多くの私立中高は教員採用時に給料がいくらかを提示しない学校が多い。
→まさにその通りだと思いました。
教員採用時に管理職や教科担当者だけが加わり、積極的に事務局(事務所)が加わることが少ないのだと思われます。
(2)夏前又は公立の採用試験の結果が出た後の10月頃が採用試験のピーク。
一旦、内定を出した後は次年度が近づく3月まで全くコンタクトを採用予定者と取らない学校が多い。
→確かにそれにも同意です。
多くの私立中高は受験生に公立校の併願先として考えられています。
つまり、来年度、つまり4月以降の生徒数が確定するのは3月中旬となってしまうのです。
それ以降に、どの学年の、どの科目を担当するかが確定されるのです。
多くの学校は、その頃に新採の方と連絡をとるだけになっていると思われます。
(3)私学の特色は学校によってそれぞれなのに、ホームページでの特色把握程度しか職場の情報を得られない。
→確かに、一般企業であれば先輩訪問やインターンシップで職場状況を把握することはできるのですが多くの私立校では勤務してみないと分からないというのが実情だと思われます。よって、3年以内での離職者も多いようです。
→ほんの数名に対してでも、若手教員による職場説明会などを実施する必要があるかもしれません。
元嘉悦中高の石川先生が書かれた本でもありますし、全国の私立中高の管理職の先生方が読んだら役に立つ内容が多く書かれていると思われます。
よって一読されることをお勧めします。
また、私立校での教員を目指している大学生にも就職先としての私立学校の情報が少ない状況にありますから、この本に書かれている内容は役に立つと思われます。
しかしながら、私にとっての読後の感想は定価1800円の書籍としては高いと感じました。
その理由は、たぶん私がその業界人だからであり、特に目新しい情報はなかったからだと思います。
話しは変わりますが、専門書にも関わらず約10年間で1万部以上も出版されてきた『コミュニケーションスタディーズ』の新訂版が近々発売されます。
3つの章を担当している私も最近の状況に合うように加筆訂正作業をさせていただきました。
ぜひとも、ご購入ください。
こちらは内容豊富で¥2310です。