京都で「ぶぶ漬け」 とは 「お茶漬け」 のこと。
それを真に受けて 「では、 頂きます」 などと言おうものなら、 「図々しい人だ」 「礼儀知らずだ」と捉えられることは有名な話です。
それを知っていればそれを察することは可能ですが、知らなければお言葉に甘えてしまうかもしれません。
「○○に行きませんか?」と誘われたら
「ぜひ、近いうちに・・」「お願いします」と予定が立たなければ角が立たないように曖昧な返答をすることは普通の言い方です。
さて、「お誘い」に関してですが
先日、息子の嫁のお父様から仕事帰りに「近所の山田屋で一杯飲みませんか」との誘いがありました。
偶然にも私の職場とお父様の住居は200メートル位しか離れていない近距離です。
「山田屋」は町でも有名な昔ながらの大衆居酒屋。
町には24時間稼動している大きな製紙工場があることもあり、夜勤を終えた人たちが朝7時からお酒を飲める場所のひとつです。
そこは私も約40年前から職場の先輩や同僚と年に何回か通ってきた店。
つまみやアルコールの値段も安くて千円でベロベロになってしまう元祖「千ベロ」の店なのです。
店内には大きなテーブルが何か所にも置かれていて、客は皆相席です。
背もたれのない年期のはいった木製の丸椅子は歴史を感じさせています。
ビール瓶は客が勝手に冷蔵庫からもってくるスタイル。
業務用のお燗マシンには日本酒の一升瓶が逆さにささっています。
会計時はテーブルまで割烹着を着た高齢の女性が来て、テーブルにあがっている酒瓶やつまみの皿の数をチェックしながら算盤をはじいて計算。
客の殆どは高齢の皆さんです。
赤、青、黄の錠剤など持参した薬を取り出して、常連客同士がお決まりの席で語り合っている居酒屋さん。
それはまるで、デイサービスに集ったご老人たちが(私も老人ですが)飲み会を開いているような光景でもあります。
そんな大衆居酒屋の「山田屋」が建て替えの為に1年半休業されるとのこと。
そこで、ぜひ現在の趣のある昭和スタイルの建物の営業中に酒を飲みに行きませんかというのがお誘いの主旨でした。
当日は、お父様と私の息子と私の3名での宴となりました。
一般的にはなかなか実現しそうも無い関係での飲み会となりましたが、それ故に記憶に残る会となりました。
お誘いに感謝です!