サイハンランが見られたと思い何気なくカメラに収めました。確認のため根元を見ましたが本来あるはずの葉が見当たりません。近くに別の個体があるのかざっと見渡しましたが目に止まりませんので、偶然葉がなくなってしまった個体なのだろうとその場はやり過ごしてしまいました。しかし、気になるので帰って調べてみると花の時に葉がない種が存在するとわかり、もっと丁寧に観察してくるべきだったと反省しています。モイワランという名前が与えられている独立種で北海道や長野県で報告されているのだそうです。この個体がそれなのか確定するには少し自信がないのですが可能性は大いにあります。自然は奥深く未知のものがまだまだ沢山あると思い知らされました。
スギ林の中に個体は自生していました。スギの葉に埋もれているおですが根元には葉が見当たりません。若いころには小さな葉があるといわれていて花期に花がない性質のようです。腐生生活をする習性が濃いのではないかとする考えもあるようです。同じころある人からサイハイランの葉がない個体の話を聞いていて「ハナシラン(葉なしラン)」というのだと話をされておりました。確かに性質をよく表している名前ですが、このような名前は与えられていないようです。
これも珍しい腐生ランでツチアケビです。まだ芽が出たばかりの状態で地面から数本にょきにょきと出ていました。昨年初めて花と果実を見たのですが、今年は芽出しを見ることができました。めったに会えない種ですが会うときは連続して会えるもので縁というのは不思議なものです。