黒菱平のゴンドラ駅の基礎の外面にクリンソウがへばりつていました。植栽したものではなさそうで自然に発生した実生の個体でしょうか。花の見頃ですが人知れず咲いているのが少し哀れです。もう少しふさわしい場所に咲いていたら報われるのでしょうが・・。クリンソウは湿った場所に咲くイメージなのですがこんな環境にも生育できるのだと感心しました。海抜が高いので土壌の水分条件は恵まれていなくても霧やガスなどで必要な水分は補われるのでしょう。
サクラソウの仲間では最も大きな種です。栽培され庭先などでよく見かける花です。花色はさまざまなものがあるように思えますが、野生種はこの濃赤色のものが一般的なもので他の色は見たことがありません。サクラソウの花ですから短花柱花、長花柱花があると思いますが今回は確認していません。
新潟県はサクラソウ属の種はごく僅かしか自生していません。クリンソウは妙高のエリアにわずかにあるとかという程度です。ハクサンコザクラにせよユキワリソウにせよごく一部の高山帯に見られるそうです。私自身花の時期に登っていないためでしょうかこの目で確認したことがないのです。そういう意味で、新潟県人にとってサクラソウ属の花は一つのあこがれの花になっているのではないでしょうか。